• 印刷する
  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
安全・環境への取り組み

三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループは、安全の確保と環境保全は企業活動の大前提であり、企業の存立そのものにも関わる最重要事項であると考えます。この考えを理念だけに留まらせないためには、従業員ひとりひとりのあらゆる活動にこの意識を付随させること、そしてそのための仕組みが必要です。

そこで、2011年4月から始まった中期経営計画APTSIS15の中では、安全確保や環境保全などについてもMOS指標を設定し、これらを通して評価された社会への貢献を意思決定や業績評価に用いることとしました。これにより、従来、環境負荷の削減は単純にコストとみなされる傾向があったものが、より積極的にMOS価値の追求として経営や自分たちの日々の活動の中に位置づけられることになりました。

環境負荷削減に関わるMOS指標の例としては、国内で大気、水圏などへ排出する環境負荷の総計を2015年に2005年比で30%削減する目標を掲げました。なお、ここでの指標は排出物質の環境影響をLIME2※1の統合係数で評価し、一元化した数値を用いています。また、安全に関してもMOS指標の中で、保安事故、環境事故、労働災害等を、過去3年の実績に対して、2015年に半減する目標を設定しています【MOS指標:C-3】。

これらの目標の達成に向け、MCHCがめざすべき安全の確保や環境負荷削減の活動をより確実かつ積極的に推進していくことで、KAITEKI価値の提供に貢献していきます。

※1 LIME2 第2期LCA国家プロジェクトにより策定された日本版被害算定型ライフサイクル環境影響評価手法。種々の環境負荷物質に対して金額に一元化するための係数が公表されている。

TOP


安全・環境に関わるグループ総合力強化・向上

三菱ケミカルホールディングス(MCHC)では、保安防災、環境保護、労働安全衛生、生産技術(製造)などについて、グループのノウハウを結集し、横串機能によるグループ戦略の強化を図ることをめざすために、グループ基盤強化室を設置し、グループ横断的な基盤整備・強化を行ってきました。またさらに、三菱化学、田辺三菱製薬、三菱樹脂、三菱レイヨンの主要4事業会社の安全・環境、生産技術(製造)に関わる担当部長が参加する「4社協議会」を定期的に開催しています。この協議会では、各社の活動方針、活動内容や課題などについて、緊密に情報交換・意見交換を行ない、各社間での認識統一を図るとともに、指導力を持って管理状況など情報を吸上げ、各社の活動内容を評価・確認し、トラブルの未然防止に努めています。この協議会を通じ、今後とも私たちがめざすべき安全の確保や環境負荷削減の活動をより確実かつ積極的に推進していくことで、KAITEKI価値の提供に貢献していきたいと考えています。

なお各事業会社におけるこれらの安全・環境活動の詳細につきましては、各社のwebサイトでも報告しております。

TOP

温室効果ガス排出削減への取り組み

MCHCグループからの温室効果ガス排出削減【MOS指標:S-1-1】

MCHCグループの国内GHG排出量推移 MCHCグループの国内GHG排出量推移

三菱ケミカルホールディングスグループでは2007年に、国内での温室効果ガス(GHG)排出削減のターゲットとして、1990年比で2015年に20%削減、2025年に50%削減(共に製品使用時での削減貢献量を含む)という目標を策定しました。この目標に向けて各事業会社において自事業所でのGHGの排出の削減に注力すると共に、創エネルギー及び省エネルギー製品を通した社会全体でのGHG削減に向けた取り組みを行ってきました。そして、2010年に新たに加わった三菱レイヨンを除いた総排出量(上記削減貢献量含まず)の実績でも、2010年で1990年比−14%と当初目標に向けて順調に削減が進んで来ました。また、MCHCグループではエネルギー使用効率の改善も着実に進めており、グループ内でエネルギー使用量の80%以上を占める三菱化学における2010年のエネルギー原単位は、1990年比−14.4%までに向上させました。

なお、三菱レイヨンの加入により大幅にグループが拡大したこと、次項でも触れますようにLi電池部材やLEDなどによる削減貢献量は当初の評価よりはるかに大きく、これを考慮した場合、2007年に設定した2015年目標は容易に達成されることが見込まれることなどから、2011年4月から開始した中期計画APTSIS15の中でGHG削減目標の見直しを行いました。この新たなMOS指標の中でGHGに注目した目標として、国内排出量で2015年に2005年比−17%、を掲げています。2010年の排出量は2005年比−9%となりましたが、リーマンショックの影響の残った2009年より生産量が大幅に増加したため、前年度比では増加いたしました。2015年の削減目標に向けて、引き続きグループを挙げて削減努力に取り組んでまいります。

製品使用時GHG排出削減貢献について【MOS指標:S-1-2】

三菱ケミカルホールディングス(MCHC)では前中期経営計画APTSIS10の時点から、Sustainabilityを事業判断基準の一つと定め、社会全体のGHG削減に大きく貢献する財、及びその素材・部材を重要育成事業として育成してまいりました。その結果、LED関連事業、電気自動車/ハイブリッド車用Li電池部材などの事業が立ち上がり、今後、これらを組み込んだ製品が社会に普及することで、従来の製品が使用された場合に較べて大幅にGHG発生量が削減されることが期待されます。

MCHCではこの使用時のGHG削減への貢献量をAPTSIS15におけるMOS指標の一つに定め、この指標の大幅な増加を可能にする事業展開をめざしています。そしてこの削減貢献量を定量的に把握するため、その評価の指針と方法論を策定しました。そしてこの評価法に基づき、5種類の製品・部材について各事業予測と製品性能から削減貢献量を予想し、MOS指標の目標値として2015年BAU比較でCO2 400万t/yの削減貢献という値を出しています。

この値は対象製品、事業展開による普及量及び従来品からの製品性能改善度などから決まってきますが、この指標の改善を世の中への多大なKAITEKI価値の向上として捉えることができます。

この評価手法の基本的な考え方は以下のとおりです。

  1. 対象製品; MCHCグループの製品が組み込まれた最終消費財であって、2010年時点でその最終製品の普及率が20%以下の新規製品(既に汎用化しているものは対象外)
  2. バウンダリ; 今回は使用時における削減量のみを評価するものとし、製造・組み立て、廃棄などは評価しない
  3. 比較対象; 同等の目的機能をもった財のうち、2010年一年間において世界市場で最も一般的に提供されたとみなされる財(基準製品)を比較対象とする。
  4. 貢献寄与率; MCHCグループが提供するものは部材・素材である場合が多いので、削減総量に対する貢献寄与率の考え方が必要である。基本的には当該素材・部材が使われた最終製品によるCO2排出削減に、その素材・部材の貢献寄与率を乗じる。 貢献寄与率は、(1)その最終製品において、環境的な差異を生み出す本質的部分、かつ(2)他の類似財で実質的に置換不可能である重要要素を同定し、その中での価値をもって貢献率とみなす。
  5. 使用のシナリオは世界での使用統計データを優先、ない場合には日本の統計データを用いる

計算式:削減貢献量 =(基準製品のエネルギー使用量−対象製品のエネルギー使用量) x 年間販売量 x CO2排出係数 x 貢献寄与率

その年の販売量による年間削減であるので、財が複数年使われる場合はその推定寿命期間分を積算する。

妥当性のある結果を得るためには、シナリオ、比較対象などを適切に選定することが必要です。そこで、ここでの評価指針と計算の方法論について、ビューロベリタス社による第三者レビューを受け、それに基づいて、目標値を設定しています。

第三者レビュー 第三者レビュー

TOP

生物多様性への取り組み

人間の活動が地球環境に与えている影響の中で、特に最近注目されているのは、様々なレベルでの生物多様性への影響です。生物多様性は、生態系サービスとして種々の恵みを与えてくれるものであり、私たちの生活や企業活動に不可欠のものですが、国連によって行われたミレニアム生態系評価などにおいて、顕著な劣化が指摘されています。さらに昨年10月名古屋で行われた生物多様性条約に関するCOP10会議において、愛知ターゲットが採択され、2020年までに生物多様性損失の歯止めに向けた実効性のある緊急行動が呼びかけられており、喫緊の課題となっています。

三菱ケミカルホールディングス(MCHC)では、2010年にグループとして「日本経団連生物多様性宣言※1」に参画し、事業活動に伴う生物多様性への影響低減に自発的かつ着実に取り組むべく活動を開始しました。化学産業は大量の化石燃料資源や水資源を用い、大量の化学製品を製造する業種ですので、これらの製品の全ライフサイクルのどこの段階でどのような影響が発生し得るかを把握し、それらへの対処を行なうことが重要となってきます。この事業活動による生態系への影響を把握するため、 環境省の「生物多様性民間参画ガイドライン」 や「企業のための生態系サービス評価(ESR)※2」などを元にした取り組みを行っています。

そして2010年度は、その具体的な活動として事業所内における化学物質の管理・削減活動を生物多様性への影響という視点で評価していくために、三菱化学四日市事業所でのモデル検討を開始しました。このモデル検討によって得られた評価結果を元にして生物多様性の評価手法を確立できれば、その手法をもとに全社的に生物多様性影響評価の活動を展開していく予定にしています。
今後、MCHCグループの事業活動及びその全ライフサイクルを通しての生物多様性への影響を念頭におき、持続可能な事業への取り組みを行っていきます。

※1 日本経団連生物多様性宣言:(社)日本経済団体連合会が2009年3月に発表したもので、自然循環と事業活動の調和、資源循環型経営の推進など、7つの柱で構成されている
※2 企業のための生態系サービス評価(ESR:The Corporate Ecosystem Services Review):企業の「生態系サービス」への依存と影響から生じるビジネスリスクと、チャンスを管理する戦略立案を支援するガイドライン。WBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な発展のための世界経済人会議)及びWRI( World Research Institute:世界資源研究所)の両団体が協同で開発した。

TOP

化学品における安全管理に対する取組み

三菱ケミカルホールディングス(MCHC)は化学をキーテクノロジーとして、KAITEKIの実現をめざしていますが、私たちの生活を支える種々の化学物質を提供するにあたっては、これらを安心して使っていただけることが最重要であると認識しています。この認識のもと、グループ会社では従来より製品の構成情報や有害性情報、取り扱い情報を「製品安全データシート」にまとめてお客様に提供し、その一部をWebサイトで公開するなどの活動を行ってきました。

化学品のリスク評価【MOS指標:C-3】

2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD、通称:ヨハネスブルグサミット)」において「化学物質による悪影響を2020年までに最小化する」という行動目標が合意されました。またそのための化学物質管理として、2006年「第1回 国際化学物質管理会議(ICCM1)」で国際的な戦略「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)」が採択されました。 国際化学工業協会協議会(ICCA)は、このWSSDの目標達成に向け、「サプライチェーンを通じたリスクベースでの化学品管理」、「製品のリスク情報などの公開」に重点をおいたGPS(Global Product Strategy)活動を、産業界の自主的な取り組みとして推進しています。

これらを受け、MCHCでは2009年よりGPS活動を開始しており、グループ会社で製造する化学物質に関してリスクを評価し、その結果に応じて化学物質管理を行い、その内容を安全性要約書にまとめて公表することとしています。

2010年においては、三菱化学とそのグループ会社で関連する7物質についてリスク評価の試行を行い、リスク評価手法の標準化を実施しています。ここで確立した方法論を元に、グループ内各社での化学物質のリスク評価及びコミュニケーションにつなげていきたいと考えています。

MCHCでは、2018年までにグループ内の全化学物質に対してこのGPS評価を行なうことを目標にしており、このGPS評価の達成率を、MOS指標の項目に取り入れ管理していきます。

TOP