三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループでは、震災発生後から対策本部を立ち上げ、当社グループへの影響把握と対応、迅速な支援の検討・実行に努めてまいりました。2011年6月30日現在における当社グループの影響と対応を報告いたします。
今回の大震災により、MCHCグループでも誠に残念ながら、グループの従業員1名とご家族2名が亡くなられ、従業員1名の行方が判明しておりません。また、従業員及びご家族で怪我をされた方が数名おられます。
製造拠点では、保安上のトラブルを起こすことなく全プラントが安全に停止したものの、東北地方・関東地方に所在するMCHCグループの各社にも多大な影響があり、16社、26の製造・研究・物流拠点と田辺三菱製薬などの東北6県の営業所等の各拠点において建物や設備が損傷し、生産活動や営業活動が停止しました。
MCHCが所管する事業所の中では、茨城県鹿島地区が一番大きな被害を受けました。同地区には三菱化学およびグループ、田辺三菱製薬グループの工場があり、各々生産停止に至りました。
とりわけ三菱化学ではエチレンをはじめとする石油化学の基幹原料の供給を停止せざるを得ず、サプライチェーンに関係する皆様には、たいへんご心配をおかけしましたが、ご理解賜り誠にありがとうございました。
下表に主な被害状況及び復旧状況をまとめて示します。
現時点ではほとんどの拠点で通常操業、活動を開始しております。
| 所在地 | 社名 | 拠点名 | 地震発生時の被害状況 | 復旧の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 茨城県 | 三菱化学 | 鹿島事業所 (東部地区) |
プラント全停止、断水 埠頭設備が損傷 |
第2エチレンプラントは5月20日操業再開 定期修理を8月末まで延期できたことで、エチレンの製品供給開始 第1エチレンプラントは 予定していた定期修理後、6月30日に操業、製品供給再開 |
| 筑波事業所 (牛久市) |
プラント全停止 | すべてのユーティリティが復旧、4月11日に完全復旧 | ||
| 三菱化学 メディエンス |
鹿島事業所 (波崎地区) |
一時的にユーティリティが停止し、最小資源による操業を継続 | すべてのユーティリティが復旧 5月連休明けに完全復旧 |
|
| 福島県 | 日本化成 | 小名浜工場 | 停電、断水、設備の一部損傷などによるプラントの操業停止 | 一部の要修理プラントおよび付帯設備を除き、運転を再開し、通常操業中 |
| エーピーアイ コーポレーション | いわき工場 | 設備の損傷 | 5月末、操業再開 |
| 所在地 | 社名 | 拠点名 | 地震発生時の被害状況 | 復旧の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 東北6県 | 田辺三菱製薬 | 東北支店管轄エリアの各拠点 | 通常の営業活動が継続困難 | 3月28日より、医療機関等の要請に応じ安全管理業務等を中心に活動再開 現時点でほぼ通常活動に近いレベルまで回復 |
| 栃木県 茨城県 千葉県 |
田辺三菱製薬工場 | 足利工場 鹿島工場 |
建物・設備に大きな被害はないものの、操業一時停止 | 足利工場、鹿島工場4月11日に操業再開 |
| MPロジスティクス | 東日本物流センター | 建物・設備の一部損傷による出入庫停止 | 4月11日出入庫再開 |
| 所在地 | 社名 | 拠点名 | 地震発生時の被害状況 | 復旧の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 茨城県 | 三菱樹脂MKVドリーム | 筑波工場 | 製造設備全停止 | 3月末に一部の設備で操業再開 4月下旬に全面操業再開 |
| 福島県 | 三菱樹脂 | 郡山製造所 | 製造設備全停止 | 3月末操業再開 |
| 所在地 | 社名 | 拠点名 | 地震発生時の被害状況 | 復旧の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 青森県 | MRCユニテック | 本社 | プラント全停止 埠頭設備が損傷 |
3月28日操業再開し、4月18日全面再開 |
| 福島県 | 東栄化成 | 小野工場 | プラント全停止 設備に損傷 |
4月8日に一部操業再開以降、順次再開予定 |
MCHCグループは、東日本大震災への支援として、被災された皆様と被災地に対しグループ全体で総額約3億円の寄付を行いました。
また、一方、役員及び従業員が募金活動を実施し、総額約5千万円の義援金が集まり、日本赤十字社や各地の共同募金会などの各種機関を通して、被災地の皆様にお届けしています。
田辺三菱製薬 支援物資積み込み風景
医薬品、ラップフィルム、太陽電池付充電器等の救援物資を被災地にお送りしています。
MCHCグループ 現地でのボランティア活動
東日本大震災に対しては寄付金の拠出、現物支援だけでなく、ある程度の期間継続して、被災地および被災者の皆様への支援活動に協力していく必要があると考え、MCHCグループでは従業員が行うボランティア活動の支援を実施しています。MCHCグループ4社及びそのグループ会社でボランティア参加者を募集し、希望者は一関を拠点としているNPOと連携して、7月中は仮設住宅への荷物の搬入などを実施し、その後も現地のニーズに応えられるような活動を続けています。
原発問題に起因する電力供給制限については、保有する自家発電設備を最大限に有効利用することにより、生産現場では15%の電力制限を実施した上で生産・供給に支障をきたすことなく事業活動を継続してまいりました。
加えて、三菱化学では自家発電の余力分を東京電力殿、東北電力殿に供給しております。
4月21日より、鹿島北共同発電(茨城県)から東京電力へ売電開始
(最大)一般家庭の30万世帯分に相当。
6月中旬より、三菱化学直江津事業所(新潟県)から東京電力への売電開始
(最大)一般家庭の15万世帯分に相当。
一方、本社ビルでは照明の消灯、空調の稼働ダウン、フロアの輪番閉鎖などの施策により25%の節電を実施しております。
今回の大規模地震のような企業活動に影響を与える災害や事故発生時においても事業を継続できるようMCHCグループでは、本社ビルをはじめ事業拠点毎にマニュアル等を整備して、従業員及びその家族の生命・安全の確保を図るとともに、事業継続、プラントの安全確保(自動停止等)等の対策をとっています。
今回の震災発生時にも、予め定められたマニュアルに基づいて対応するとともに、従業員の安否確認、帰宅困難者対応などについても大きな混乱なく対応することができました。一方、東日本の各事業拠点においては震災当初、通信機器が不通であった地域も多く、状況把握に時間を要したところがありました。
これらの反省点もうけて、MCHCグループでは、現在、東京地区が壊滅的な打撃を受けた場合なども想定して、サプライチェーンの維持を含めた全般的な事業継続計画の見直しを行っているところであります。また、鹿島地区につきましては津波により、港湾インフラ設備が被害を受けており、その状態を調査して、今回の地震や津波の経験をもとにハード面、ソフト面の両面で改善を進めてまいります。