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Part3:KAITEKIに貢献する製品・技術
長期的視野で、KAITEKIを研究し、事業に反映させるネットワーク型研究機関 ■株式会社地球快適化インスティテュート


Viewpoint : MOS

〈コトづくりを志向する新しい研究機関〉

21世紀の今日、私たち人間は地球環境悪化、エネルギー・資源の枯渇、水・食糧危機、健康等の様々な問題に直面しています。これらの問題を解決し、人間にとって快適であるだけでなく、社会にとっても、地球にとっても快適で、真に持続可能である状態、KAITEKIを実現するために三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループとして何ができるか。20年から50年先をみすえた大局的な観点からそれを探究するために、MCHCが2009年4月に設立した機関が、地球快適化インスティテュート(The KAITEKI Institute:略称 TKI)です。

TKIのミッションは大きく四つあります。まず社会の未来の変化を先取りする情報の収集・解析と、それによるニーズやウォンツを予測し、MCHCグループ各社に情報提供すること、第二にその予測されるニーズ、ウォンツに答える将来のビジネスのフレームワークを考え、その鍵となるコア技術を研究すること、第三に研究の成果が得られた時に、その成果を土台に、MCHCグループでのビジネスを提案すること。そして第四は、KAITEKIの概念を世の中に発信、提唱し、普及していくことおよびMCHCグループへ新しい文化を紹介することです。

TKIの研究領域TKIの研究領域

調査・研究領域は、大陽(SOL)、水(AQUA)、生命(VITA)の三つのキーワードで表わされます。これらはそれぞれ、KAITEKI実現に必須となる「環境・エネルギー」、「水・食糧」、「生命・生活」を象徴しています。TKIが従来の企業の研究所と大きく異なるのは、自らは実験をする設備は持たず、世界中に第一線の研究機関とのネットワークを有し、そうした機関への委託や連携によって研究を進める方針を取っていることです。それによって、常に新たなテーマにフレキシブルに対応することが出来ます。

また、TKIは上述のシンクタンク機能と研究機能を併せ持っています。従来の研究所がモノづくり志向だったとするならば、TKIはコトづくり志向の組織であり、KAITEKI実現のためのしくみづくりまでをめざしています。


アドバイザリーボードによる評価会議アドバイザリーボードによる評価会議

これらを達成するため、TKIはMCHCグループの各事業会社から所員を集めて運営し、進行している調査・研究内容に対しては、社内外の有識者からなるアドバイザリーボードによる評価会議を年2回実施して、TKIの方向性を検証しています。

また、TKI所員はTKIでの職務で身につけた未来社会に関する知識や企画・立案能力を生かし、各事業会社に戻り活躍する事が期待されています。

TKIのネットワークと研究テーマ例TKIのネットワークと研究テーマ例

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Viewpoint : MOT

〈CO2の資源化や節水型農業技術で着実な成果〉

具体的な成果も生まれつつあります。例としては、SOLの分野における、藻類を利用したCO2の資源化があります。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に研究を委託し、同校のJames Liao教授が指揮を取っています。めざすのは増殖力が高いシアノバクテリア(ラン藻)によってCO2からアルコールを効率よく生産すること。それにはCO2からアルコールへの代謝経路(※1)を設計する必要があります。現在、大腸菌を宿主とした遺伝子組換えによる新デザインの代謝経路で、グルコースからブタノールへの代謝経路を検証しています。2010年の目標は、反応容量1L当たり2gのブタノール生産でしたが、これを大幅に上回る30gのブタノール生産を可能にする遺伝子群を発見しました。また、ラン藻でのブタノール生産も確認しました。

シアノバクテリアシアノバクテリア

ラン藻培養装置ラン藻培養装置

(※1)代謝経路:代謝とは生物が生命維持のために行う物質変換の反応。代謝経路はその物質変換を示したもので解糖系、クエン酸回路、脂肪酸代謝などがある。

AQUAの分野では、メビオール株式会社(神奈川県平塚市)、オーストラリアのビクトリア州第一産業省と共同で研究している節水型農業技術があります。これはメビオール社が開発したハイドロ膜を活用した栽培方法で、ビクトリア州におけるトマトでの実証実験では、通常の水耕栽培に比べ、同一生産高見合いで水は3分の2の使用量ですみ、糖度は20%増という好結果を得ました。

高糖度トマト高糖度トマト

作物と養液を隔離して栽培(メビオール社より提供)作物と養液を隔離して栽培(メビオール社より資料提供)

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Viewpoint : MBA

〈KAITEKIの理念を社会へ訴求〉

小林喜光編著「KAITEKI化学」小林喜光編著「KAITEKI化学」

四つ目のミッションにあるように、KAITEKIの理念を社会に発信、提唱することもTKIの大きな役割です。その第一弾として、小林喜光社長がKAITEKIの考え方を著した書「KAITEKI化学」(阪急コミュニケーションズ)を2010年12月に出版しました。また、同書は、英語版も発行されています。

さらに2011年4月には、社会へ直にKAITEKIを伝えていく場としてMCHC本社ビルの一階に『KAITEKI CAFE』をオープンしました。

KAITEKIを提案する新しいスタイルのカフェKAITEKIを提案する新しいスタイルのカフェ

植物工場で栽培された野菜や生産者情報の明確な食材を用いた料理、三菱化学が注力する白色LED照明や三菱レイヨンの『クリンスイ』で浄水された水などを体感していただけます。

TKIではこのほか、有識者による講演会なども企画、社内への新しい文化の浸透にも力を入れています。

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For KAITEKI

〈KAITEKIへの貢献と、未来事業の先導〉

MCHCグループは2025年までを視野に経営を考えていますが、TKIはさらに長期の視野に立って予測、研究をしています。そのため事業会社とは異なる発想が可能になります。過去のデータを見ても、MCHCグループの事業分野は時代によって大きく変化しています。

つまりTKIは、非常に長期的に社会を見ることで、KAITEKIに貢献するとともに、未来の事業を先導するような役割も果たしています。

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KAITEKI Creator

株式会社地球快適化インスティテュート 取締役副所長 田中栄司 株式会社
地球快適化インスティテュート
取締役副所長
田中栄司

地球規模の課題解決に向け、世界の叡智を集めるTKIにご期待

蒸気機関や、空中窒素の固定など、新しい発明があるごとに、人類は飛躍的にその地球上の活動を拡大して来ました。21世紀になって、その活動はいよいよ地球そのものの状態に影響を与えるまでになり、人類の持続可能性の危機が叫ばれています。自分だけの満足、自分だけの快適を求めるのではなく、次の世代にも快適な地球を残すべく考えること、それが最も重要な時代になったと言えるでしょう。

TKIはまさに、そのことを考えるために設立された組織です。SOL, AQUA, VITAの3つの分野で、未来の人々のKAITEKIを実現するためには、何が必要なのか、今から取り組むべきことは何か、そして、世界の叡智を集めて課題解決に邁進する、そんなTKIに是非ご期待ください。

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