
2011年3月11日に発生した東日本大震災において亡くなられた方々に改めて哀悼の意を表するとともに、一日も早い復興を祈念致します。
三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループにおいては、三菱化学鹿島事業所をはじめとし、6県にまたがる16社26事業所の工場と物流拠点が被災いたしました。しかし、グループ一丸となって全力を尽くした結果、鹿島事業所のエチレンプラントについては6月末までに再開を果たすなど、ほぼ復旧することができました。この間、多大なるご支援をいただいた国内外の関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。
今後は、日本の復興のために、幅広い産業素材・サービスを提供する化学企業として、貢献してまいりたいと思います。
今回の大震災とそれによって引き起こされた原子力発電所事故により、エネルギー政策のみならず、これまで人類が共有していた価値観の転換が求められています。
一方で、気候変動、環境破壊、資源の枯渇、食糧・水の偏在、生物多様性の危機といった従来からの重要な課題は未解決のままです。こういった時代の中、私たち企業が持続的発展を遂げるためには、何をなすべきなのかが問われています。
MCHCグループでは、「Good Chemistry for Tomorrow−人、社会、そして地球環境のより良い関係を創るために。」というグループ理念のもと、前中期経営計画APTSIS 10のなかで中長期視点をもって2025年のありたい姿を描きつつ、その実現のために企業活動の3つの判断基準、Sustainability、Health、Comfortを定め、事業の構造改革、成長戦略を実施してきました。この間、原油価格の高騰やリーマンショックといった投機的な動きが実体経済へ大きな影響を与える事態やより深刻となった環境破壊問題などに直面し、企業が持続的に発展するためには、新しい価値判断を経営の軸に加える必要性を強く実感しました。
そこで、既存の経営管理的アプローチである「MBA(Master of Business Administration)」軸と、技術経営的な「MOT(Management of Technology)」軸に加えて、地球環境問題や社会的課題の解決に寄与し、持続性を追求するMOS(Management of SUSTAINABILITY)軸を経営に採り入れました。2011年4月から開始した中期経営計画APTSIS 15ではこの3つの機軸に時間軸を加えた4軸を見据えながら、MCHCグループの事業運営を行なっています。

この4次元経営から生まれる価値をKAITEKI価値とし、時代の要請にあわせてその価値を極大化することをCEOの役割と考えています。この4次元経営の遂行に向け、MOS軸による諸活動の進捗を定量化・可視化する試みとして「MOS指標」を定め、2011年4月から始まった中期経営計画APTSIS 15のなかで運用を開始しました。
※KAITEKIとは・・・人にとっての心地よさに加えて、社会にとっての快適、地球にとっての快適をあわせもったもので、真に持続可能な状態を意味する。
APTSIS 15では、スローガンである「協奏により、さらなる成長・創造と飛躍を実践する企業グループ―MCHC」のもと、2015年度の目標として、財務目標とあわせてMOS指標の目標を明確に数値で設定しています。
企業活動を支える基盤である「企業倫理(コンプライアンス)」、「環境・安全」、「人権・労働」、「企業統治(コーポレートガバナンス)」、「情報公開」への取り組みについても、MOS指標として具体的な目標として織り込み、PDCAを回すことにより、継続的な質の向上、よりいっそうの強化に努めてまいります。
MCHCグループでは、今年から、従来のCSRレポートを、「KAITEKIレポート」といたしました。さまざまな課題を解決していくことでKAITEKIを追究していくことをめざす私たちの決意の表れと考えていただければ幸いです。ステークホルダーの皆様とともにKAITEKIの実現をめざして、私たちはグループの総力を結集し、歩み続けていきたいと考えています。