三菱ケミカルホールディングスは、2005年10月の発足以来、最適なグループ経営をめざしてコーポレートガバナンスやコンプライアンス、リスクマネジメントの強化に取り組んでいます。
コーポレートガバナンス体制(2011年4月1日現在)
三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループの純粋持株会社であるMCHCは、グループのポートフォリオ・マネジメント機能を担い、グループ経営の深化や、グループの成長・飛躍に向けた経営資源の配分などの諸施策を推進しています。またグループの経営を統括する立場から、経営における意思決定や業務執行の効率性・迅速性の確保、経営責任の明確化、コンプライアンスやリスク管理の強化に取り組んでいます。
取締役会は、取締役会規則やその他の関連規則に基づき、経営上の重要事項およびグループ経営上の基本的事項に関する意思決定を行うとともに、取締役の業務執行について監督を行っており、原則として毎月1回開催しています。当社の取締役は、10名以内とする旨を定款で定めており、2011年6月末現在、7名(うち、執行役員兼務者2名)で構成されています。なお、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築し、各取締役の経営責任とその役割の一層の明確化を図るため、取締役の任期を1年としています。また、取締役候補者の決定にあたっては、当社グループ経営理念を実現し、社会的責任を果たすためにふさわしい資質・能力をもった人材を、取締役会で決定の上で株主総会にかけ、その議決をもって選任しています。
経営会議は、取締役社長の意思決定を補佐するための機関として、当社及びグループ各社の投融資などの重要な業務執行やコンプライアンス、リスク管理、安全・環境対策、人権啓発、社会貢献などのCSR(企業の社会的責任)の推進に関する重要な事項について審議を行っています。なお、審議事項のうち、経営上の重要事項については取締役会の決議を経て執行しています。
経営会議は、月1回程度開催され、取締役社長、取締役、担当執行役員、基幹事業会社の執行代表および監査役で構成されています。
三菱ケミカルホールディングスの監査・監督機関としては、監査役および監査役会があります。監査役は取締役会その他重要な会議又は委員会への出席、取締役等からの報告内容の検証、会社の業務及び財産の状況に関する調査等を行い、取締役の職務の執行を監査しています。監査役会は、原則として毎月1回開催し、監査方針等の監査に関する重要な事項について協議、決議しています。当社の監査役は、2011年6月末時点で5名で、うち3名は社外監査役で利害関係のない独立監査役として指名されています。また、会計監査人及び監査室との間で、それぞれの監査の実施状況や監査結果などについて意見交換を行うなど、相互に緊密な連携をとりながら監査を行っています。
株式会社三菱ケミカルホールディングス
専務執行役員
内部統制推進室長
コンプライアンス推進統括執行役員
津田 登
三菱ケミカルホールディングス(MCHC)は、2008年4月に「内部統制推進室」を発足させました。それまでは、「CSR推進室」の中でコンプライアンスやリスク管理のシステムを整備、運営してきましたが、内部監査部門との連携も含め、内部統制に特化して一元的に管轄する部署が必要だと考えたからです。
内部統制とは、本来、「目的実現のために、組織を組織としてうまく機能させること」と理解しています。この「うまく」という意味を、MCHCではコンプライアンスを含めてリスク管理をしっかり行うこと、効率的・効果的な組織運営がされていること、と捉えており、「内部統制推進室」はこれらの改善をプロモートしていくことをミッションとしています。
MCHCグループは、社会の持続可能性に繋がるKAITEKI価値を産み出していくことを経営の柱としており、そのためには自らが社会から信頼され、持続可能な組織でなければなりません。その意味で、内部統制をしっかりさせることは、KAITEKI価値を追及するという経営の前提だと考えています。
一方、近年の大きな変化として、MCHCグループの規模が拡大し、グローバル化も急速に進んだことなどにより、社会的な影響力も強くなり、内部統制の責任が大きくなっていることがあります。こうしたことを背景に、私たちは次の点に注力して活動しています。
まず、グループ横断的な内部統制の基準やスタンダードの整備を強化することです。MCHCグループではこれまでも、基幹事業会社4社に共通する基本ルールや制度を整備してきました。ただ、各社は業種・業態が異なり、社風も労働条件も異なりますから、すべてを一律にしても効果的ではないため、基本的なルールに沿いつつ、それぞれが自律的に内部統制を実施できるようにしてきました。
一方、社会の変化が加速化し、この手法だけでは間に合わないことも増えてきました。特に海外では従来の法律や慣行・習慣が気づかない内に厳格化されることも多く、現場の対応が遅れることがあります。しかも国によってリスクが異なるため、一つの国に対して4社共通の姿勢で臨む方が効果的である場合も少なくありません。こうした事情を踏まえ、MCHCが、グループ共通の内部統制ガイドラインなどを一歩踏みこんで進める必要があると考えています。
第二に、グループ内に異なる企業を持つことを活かし、より優れた制度を整備していくことです。
グループの基幹事業会社は、これまでの経験の蓄積による得意な内部統制の分野や方法をそれぞれ持っています。そこでMCHCは、各社の内部統制のシステムや運用状況を評価し、優れている企業をモデルとして、互いに経験知やノウハウを伝えることのできるメリットを活かし、他の企業の制度改革を促していきます。基幹4社や海外会社の特性を考慮しつつ、最も優れた企業を目標に4社が切磋琢磨していく、そのための調整をすることもMCHCの役割だと思います。
第三に、内部統制を、現場レベルから自律的、自覚的に運用できるようにすることです。
MCHCの内部統制のシステムや制度は、これまで様々な工夫や改良を重ねてきました。これを浸透させ、実際に機能させるには、一人ひとりの社員の意識が欠かせません。また内部統制は、社内的にはともすれば「経営上層からの管理」として受け取られがちですが、現場の自立的意識なくして、実効力を持ちません。これが非常に大きな課題だと認識しています。
特に部課長の皆さんの役割は非常に重要です。いくらシステムを整備しても、一つ一つの組織が組織として機能しなければ絵に描いた餅になってしまいます。私自身、何か問題が起これば、課長の方々を集め、「どこに問題があったか」、「どうすべきだったか」を突き詰めて議論をするようにしています。社員の意識を高めるため、研修などには今後も力を入れていきたいし、またある規模以上の部署のリーダーについては、人材ローテーションも含めて意識の活性化を考えています。
これらの取り組みに共通しているもの、言い換えれば、内部統制の基盤となる姿勢は、「説明責任」と「透明性」の徹底です。
MCHCは大きな広がりを持つ組織であり、社会の変化も激しい時代ですから、どれほど制度を整え、予防を重ねていても、トラブルや支障は起こり得ます。そうしたときに、正確、誠実に社内外に説明をすること、そして包み隠さず、事実を明らかにすること。そのうえで、何を反省し、改善すべきなのかを考え、実行することが極めて大切です。それが当然のこととしてグループ全体に浸透するよう、今後も努力していく所存です。