三菱ケミカルホールディングスTHE KAITEKI COMPANY

コーポレートガバナンス

取締役会長メッセージ

持続可能な社会の実現と企業価値の向上をめざして

2017年度を振り返って
当社は2015年に指名委員会等設置会社へ移行し、これまでの3年間、取締役会の役割を経営の基本方針の策定と経営全般の監督と位置づけ、社外取締役の独立かつ多様な視点を導入しつつ、その実効性向上に努めてきました。2017年度は計10回の取締役会を開催し、中期経営計画の進捗モニタリングや成長に向けた投資等について、活発な議論が展開されました。

さらなる改善をめざして
近年、グローバリゼーションの進展や科学技術の革新的な進化により経営環境は目まぐるしく変化しており、環境・社会問題が深刻化するなど経営課題も複雑化しています。このような中、MCHCグループが持続的な成長を遂げるためには、将来を見据えた的確な経営判断を行い、経営環境の変化やリスクに適応できる体制の整備を進めていかなければなりません。取締役会としても、経営執行側による適切なリスクテイクを後押しし、実効性の高い監督を行うことが一層求められてきます。
2017年度は、社内取締役と社外取締役との情報の非対称性の縮減をテーマに、執行役会議で審議・報告された重要案件を取締役会の報告対象とするなどの取り組みを実施しました。また、コーポレートガバナンスを専門とする弁護士を招いて、当社取締役会のあるべき姿や社外取締役の役割について取締役間で議論する機会も設けました。
今後は、多様性に富んだ取締役会において本質的に意義のある議論に一層集中できるよう、取締役会資料や説明方法の改善に取り組んでいきます。また、中長期戦略やグループガバナンス等のテーマについては社外取締役連絡会も活用し、取締役会の議論の活性化につなげていきます。

KAITEKI実現をめざして
MCHCグループは、2011年4月より、環境・社会課題の解決を通じて、持続可能な社会の構築に貢献すること、すなわちKAITEKI実現をビジョンに掲げ、経済性や資本効率の追求、イノベーションの追求、サステナビリティの向上を経営の3つの基軸として、これらに沿った企業活動を通じて生み出される価値の総和を企業価値と捉え、その向上に努めるKAITEKI経営を実践しています。
一方、企業価値を測る要素として、財務情報に加えて非財務情報であるESG(環境、社会、ガバナンス)要素も重視されるようになり、また、企業においてもSDGs(国連の持続可能な開発目標)が設定する目標を経営戦略に取り込み、事業機会として活かす動きも広がりつつあります。
MCHCグループがめざしてきたものと社会の要請がシンクロナイズしていく中、より発信力を高めKAITEKI経営に対する理解を広めていく必要があります。今後も、越智社長をはじめとする経営執行側と議論を重ね、取締役会として、KAITEKI経営を後押しし、企業価値のさらなる向上を図っていく所存です。

2018年9月
取締役会長
小林 喜光

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社グループは、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」をKAITEKIと表し、KAITEKI実現をビジョンに掲げ、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献することをめざしています。

当社は、KAITEKI実現に向けて、経営の健全性と効率性の双方を高める体制を整備し、適切な情報開示とステークホルダーとの対話を通じて経営の透明性を向上させ、より良いコーポレートガバナンス体制の確立に努めてまいります。

2015年6月には、指名委員会等設置会社へ移行し、透明性・公正性の向上、監督機能の強化及び意思決定の迅速化による機動性の向上を図るなど、コーポレートガバナンス強化に向けた取組みを進めております。

ガバナンス体制

当社は、2015年6月の定時株主総会での承認を経て、指名委員会等設置会社へ移行しました。取締役会ならびに指名、監査および報酬の3つの委員会が主に経営の監督を担う一方、執行役が業務執行の決定および業務執行を担う体制とし、経営の監督と執行の分離を進め、経営の透明性・公正性の向上、経営監督機能の強化および意思決定の迅速化による経営の機動性の向上を図っています。

各組織の権限と役割

(取締役会)

取締役会は、中期的な経営戦略や年間予算などの経営の基本方針を決定したうえで、その基本方針に基づく業務執行の決定は、法定の取締役会決議事項を除き、原則として執行役に委任しており、主に執行役の業務執行の監督をしております。

当社は、機能商品、素材及びヘルスケアの3つの事業分野に及ぶグループの幅広い事業に精通した社内出身の取締役に加え、企業の経営者、社会・経済情勢や科学技術に関する有識者、公認会計士、弁護士といった経歴をそれぞれ有する5名の社外取締役を選任し、多様な意見を経営に反映させるとともに、監督機能の強化を図っております。

なお、当社は、取締役は20名以内とする旨を定款で定めており、2018年6月26日現在の取締役の総数は、社外取締役5名を含む12名(うち、執行役兼務者3名)となっております。さらに、取締役の任期を1年とすることで、経営責任を明確化するとともに、事業環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築しております。

(指名委員会)

指名委員会は、取締役候補者及び執行役の指名に加えて、上場会社を除く主要な直接出資子会社(三菱ケミカル㈱及び㈱生命科学インスティテュート)の社長候補者の指名を行います。また、指名過程の透明性・公正性を高めるため、委員長は社外取締役が務めることとしております。

委員会の構成(2018年6月26日現在)
社外取締役 社内取締役
委員長 橘川 武郎
委員 國井 秀子
橋本 孝之
小林 喜光
越智 仁

(監査委員会)

監査委員会は、執行役及び取締役の職務執行の監査、当社グループの内部統制システムの検証等を行っており、原則として毎月1回開催することとしております。監査委員は、2018年6月26日現在で社外取締役3名を含む5名であります。また、常勤の監査委員を2名選定するとともに、監査委員会と会計監査人、内部監査を実施する監査室及び内部統制システム整備の方針策定・推進を担う内部統制推進室が緊密に連携するなどして、監査委員会による監査体制の充実を図っております。社内各部門との十分な連携を確保し、情報収集を円滑に行うため、委員長は常勤の監査委員である社内取締役が務めることとしております。

さらに、監査委員会の職務を補助する組織として監査委員会事務局を置き、監査委員会の指示のもと、監査の補助にあたらせております。監査委員会事務局に所属する従業員の人事(異動、評価等)及び監査委員会事務局の予算の策定については、監査委員会の承認を得ることにしております。

なお、監査委員梅葉芳弘氏は、経理・財務に関する長年の業務経験があり、また、監査委員伊藤大義氏は、公認会計士の資格を有しており、両氏はそれぞれ財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。

委員会の構成(2018年6月26日現在)
社外取締役 社内取締役
委員長 梅葉 芳弘
委員 伊藤 大義
渡邉 一弘
國井 秀子
浦田 尚男

(報酬委員会)

報酬委員会は、取締役及び執行役の個人別の報酬額の決定に加え、上場会社を除く主要な直接出資子会社(三菱ケミカル㈱及び㈱生命科学インスティテュート)の社長の個人別の報酬額を決定しております。また、決定過程の透明性・公正性を高めるため、委員長は社外取締役が務めることとしております。

委員会の構成(2018年6月26日現在)
社外取締役 社内取締役
委員長 伊藤 大義
委員 橘川 武郎
渡邉 一弘
小酒井 健吉
藤原 謙

(執行役)

執行役は、取締役会の定めた経営の基本方針(中期経営計画、年度予算等)に基づく、業務執行の決定及びその執行を担っております。当社グループの経営における重要事項については、執行役による合議機関である執行役会議で審議のうえ、これを決定し、また、その他の事項については、各執行役の職務分掌を定めることに加え、担当執行役の決裁権限を明確にすることで、適正かつ効率的な意思決定がなされるようにしております。

(執行役会議)

執行役会議は、全ての執行役により構成され、当社及び当社グループの経営に関する重要な事項について審議・決定するとともに、中期経営計画、年度予算等に基づき、当社グループの事業のモニタリングを行っております。

なお、監査委員及び事業会社の社長は、執行役会議に出席し、自由に意見表明ができることとなっております。

コーポレートガバナンスの強化の変遷

時期 実施内容 目的
2006年6月 株式報酬型ストックオプションの導入 役員報酬の株主価値との連動
2013年6月 社外取締役の選任・就任 経営の監督体制の強化
2014年6月 外国人取締役の選任・就任 取締役の多様性の向上
2015年6月 女性取締役の選任・就任
指名委員会等設置会社へ移行
取締役の多様性の向上
経営の透明性・公正性の向上、経営監督機能の強化
2016年6月 社外取締役の増員 取締役の多様性の向上

社外役員の独立性に関する基準

社外取締役は、以下の要件に該当せず、一般株主と利益相反の無い公正かつ中立的な立場で当社経営の監督にあたることができる者を選任しています。

1. 当社の関係者

① 当社グループの業務執行者(業務執行取締役、執行役、執行役員、支配人、従業員、理事、パートナー等をいう。以下同じ)
② 過去10年間において当社グループの業務執行者であった者

2. 主要株主

当社の総議決権数の10%以上を直接若しくは間接に有する者又は法人の業務執行者

3. 主要な取引先

① 当社および当社グループの事業会社(三菱ケミカル(株)、田辺三菱製薬(株)、(株)生命科学インスティテュートおよび大陽日酸(株)をいう。以下同じ)を主要な取引先とする法人※1の業務執行者
② 当社および当社グループの事業会社の主要な取引先※2の業務執行者

4. 会計監査人

当社グループの会計監査人又はその社員等

5. 個人としての取引

当社および当社グループの事業会社から年間1,000万円以上の金銭その他財産上の利益を得ている者

6. 寄付

当社および当社グループの事業会社から年間1,000万円以上の寄付・助成を受けている者または法人の業務執行者

7. 役員の相互就任

当社グループの役員・従業員を役員に選任している法人の業務執行者

8. 近親者等

① 当社グループの重要な業務執行者の近親者等(配偶者、二親等以内の親族又は生計を同一にするものをいう。以下同じ)
② 3から7に該当する者の近親者等
③ 過去3年間において3から7に該当する者

※1 当該取引先が直近事業年度における年間連結売上高の2%以上の支払いを当社および当社グループの事業会社から受けた場合、当社を主要な取引先とする法人とする。
※2 当社および当社グループの事業会社が直近事業年度における年間連結売上高の2%以上の支払いを当該取引先から受けた場合または当該取引先が当社グループに対し当社の連結総資産の2%以上の金銭を融資している場合、当該取引先を当社の主要な取引先とする。

社外取締役の選任理由

氏名 選任理由
橘川 武郎 橘川武郎氏は、経営史の視点からの会社経営に関する高い見識やエネルギー産業論の専門家としての経験を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、橘川武郎氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
伊藤 大義 伊藤大義氏は、公認会計士としての経験や高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、伊藤大義氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
渡邉 一弘 渡邉一弘氏は、検察官、弁護士としての経験や高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、渡邉一弘氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
國井 秀子 國井秀子氏は、会社経営の豊富な経験や情報処理分野における専門家としての経験に加え、内閣府男女共同参画推進連携会議議員を務めるなど、ダイバーシティ推進に関して有する高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、國井秀子氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
橋本 孝之 橋本孝之氏は、グローバル企業の日本法人で社長、会長を歴任するなど、会社経営の豊富な経験を有するとともに、ICTに関する高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、橋本孝之氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。

社外取締役の活動状況

氏名 活動状況 取締役会などへの出席状況
(2017年度)
橘川 武郎 取締役会では、経営史の視点からの会社経営に関する高い見識やエネルギー産業論の専門家としての経験を活かし、必要に応じて発言を行っております。
また、指名委員会では、委員長として、委員会の議事運営を行うとともに、その結果を取締役会へ報告するなど、その職責を果たしております。報酬委員会では、委員として委員会で必要に応じて発言を行っております。
取締役会 10回/10回
(100%)
指名委員会 6回/6回
(100%)
報酬委員会 6回/6回
(100%)
伊藤 大義 取締役会では、公認会計士としての経験や高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っております。
また、監査委員会では、委員として監査計画を立案し、監査の実施状況とその結果を聴取するとともに、必要に応じて発言を行っております。報酬委員会では、委員長として、委員会の議事運営を行うとともに、その結果を取締役会へ報告するなど、その職責を果たしております。
取締役会 10回/10回
(100%)
監査委員会 13回/13回
(100%)
報酬委員会 6回/6回
(100%)
渡邉 一弘 取締役会では、検察官、弁護士としての経験や高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っております。
また、監査委員会では、委員として監査計画を立案し、監査の実施状況とその結果を聴取するとともに、必要に応じて発言を行っております。報酬委員会では、委員として委員会で必要に応じて発言を行っております。
取締役会 10回/10回
(100%)
監査委員会 13回/13回
(100%)
報酬委員会 6回/6回
(100%)
國井 秀子 取締役会では、会社経営者や情報処理分野の専門家としての経験に加え、ダイバーシティ推進等に関する高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っております。
また、指名委員会では、委員として委員会で必要に応じて発言を行っております。監査委員会では、委員として監査計画を立案し、監査の実施状況とその結果を聴取するとともに、必要に応じて発言を行っております。
取締役会 9回/10回
(90%)
指名委員会 6回/6回
(100%)
監査委員会 13回/13回
(100%)
橋本 孝之 取締役会では、会社経営の豊富な経験やICTに関する高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っております。
また、指名委員会では、委員として委員会で必要に応じて発言を行っております。
取締役会 10回/10回
(100%)
指名委員会 6回/6回
(100%)

取締役および執行役の報酬決定方針

取締役と執行役の報酬は別体系とし、以下の考え方に基づき、報酬委員会が決定しております。

報酬額

区分 支払人員(名) 報酬等の支払額(百万円)
基本報酬 業績報酬 合計
取締役(社内) 6 250 10 260
取締役(社外) 5 69 69
執行役 5 258 65 323
合計 16 577 75 652

(注)
1. 当社及び当社子会社が役員に支払った報酬等の合計額を上記の報酬等の支払額として記載しております。
2. 当社が支払った報酬等は、取締役11名に対して284百万円(うち社外取締役5名に対し69百万円)、執行役5名に対して277百万円です。
3. 当社は、執行役を兼任する取締役に対しては、上記の方針のとおり執行役として報酬等を支払っております。
4. 取締役(社内)に対する業績報酬は、前期に執行役を務めていた取締役に対し、執行役在任時の業績報酬として支給されたものです。
5. 執行役に対する業績報酬は、当社が支払ったストックオプションによる報酬であります。