三菱ケミカルホールディングスTHE KAITEKI COMPANY

コーポレートガバナンス

取締役会長メッセージ

持続可能な社会の実現と企業価値の向上をめざして

2016年度を振り返って
当社は、2015年6月に指名委員会等設置会社に移行し、取締役会の中心的な機能を経営の監督と捉え、取締役会に独立かつ多様な視点を導入するべく、異なる分野での豊富な経験と高い専門性を有する社外取締役を招聘し、その実効性を高めてきました。
2016年度からは、日本アイ・ビー・エム株式会社の社長、会長として経営を率いてこられた橋本取締役(現同社名誉相談役)が新たに就任され、取締役会における議論がより活性化し、経営執行側にも一層の緊張感が生まれてきたように思います。
そのような中、2016年度は計10回の取締役会を開催し、不採算事業からの撤退や海外での成長に向けた投資等に関し、活発な議論が展開されました。

さらなる改善に向けて
指名委員会等設置会社は、原則として、個々の業務執行についての意思決定を経営執行側に大幅に委譲する一方で、取締役会においては持続的な企業価値の向上に向けた経営戦略を議論することになります。当社取締役会においても、経営監督機能の強化とともに、中長期的な経営の方向性に関する議論をいかに充実させるかは重要な課題となっていました。この点については、経営執行側と議論を重ね、2017年4月から重要な業務執行に関する意思決定の方法を改め、執行役による合議の意思決定機関(執行役会議)を新設し、また経営戦略部門の強化を図るなどして、中長期的な事業戦略を持株会社の視点で検討する体制を整備しました。取締役会もその構成を一部見直し、同年6月か ら経営戦略、経営管理・財務、コンプライアンス・ガバナンスを所管する執行役を新たに加えました。これらの結果、取締役会において、執行役会議での議論の経過・結果も含めたより深く、かつ活発な議論が可能となり、情報の非対称性も改善しつつあります。
今後は、特に社外取締役に対する適時かつ適切な情報提供をさらに充実させるため、ICTの活用や、定量化した情報に基づいた議論を行うなど、取締役会の効率的・実質的な運営の検討を進めていきます。

KAITEKI実現をめざして
今後は、当社グループもIoTやAI等による技術革新をものづくりの技術に生かし、従来にないスピードとインパクトで、新たな持続可能な社会の実現に向けた事業戦略を築いていく必要があります。
引き続き、越智社長をはじめとする経営執行側と徹底的に議論し、取締役会として、経営陣の果断な意思決定を後押しし、企業価値のさらなる向上を図っていく所存です。

2017年9月
取締役会長
小林 喜光

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、グループ理念「Good Chemistry for Tomorrow ― 人、社会、そして地球環境のより良い関係を創るために。」のもと、あらゆる企業活動を通じ、「時を越え、世代を超え、人と社会、そして地球が心地よい状態」、すなわちKAITEKIを実現し、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献することが、株主の皆様、お客様をはじめとするステークホルダーのご期待に応えることと考えております。

当社は、KAITEKI実現に向け、当社が持続的に発展していけるよう、経営の健全性と効率性の双方を高める体制を整備するとともに、経営の透明性を向上させてまいります。

2015年6月には、指名委員会等設置会社へ移行し、透明性・公正性の向上、監督機能の強化及び意思決定の迅速化による機動性の向上を図るなど、コーポレートガバナンス強化に向けた取組みを進めております。

ガバナンス体制

当社は、2015年6月の定時株主総会での承認を経て、指名委員会等設置会社へ移行しました。取締役会ならびに指名、監査および報酬の3つの委員会が主に経営の監督を担う一方、執行役が業務執行の決定および業務執行を担う体制とし、経営の監督と執行の分離を進め、経営の透明性・公正性の向上、経営監督機能の強化および意思決定の迅速化による経営の機動性の向上を図っています。

各組織の権限と役割

(取締役会)

取締役会は、中期的な経営戦略や年間予算などの経営の基本方針を決定したうえで、その基本方針に基づく業務執行の決定は、法定の取締役会決議事項を除き、原則として執行役に委任しており、主に執行役の業務執行の監督をしております。

当社は、機能商品、素材及びヘルスケアの3つの事業分野に及ぶグループの幅広い事業に精通した社内出身の取締役に加え、企業の経営者、社会・経済情勢や科学技術に関する有識者、公認会計士、弁護士といった経歴をそれぞれ有する5名の社外取締役を選任し、多様な意見を経営に反映させるとともに、監督機能の強化を図っております。また、社外取締役に加え、社内取締役のうち、当社の執行役を兼ねず、かつ基幹事業会社の業務執行も担わない、いわゆる非執行の取締役を4名選任することで、取締役会の過半数を非執行の取締役とし、業務執行の監督が適切に行われる体制を整備しております。

なお、当社は、取締役は20名以内とする旨を定款で定めており、2017年6月27日現在の取締役の総数は、社外取締役5名を含む13名(うち、執行役兼務者4名)となっております。さらに、取締役の任期を1年とすることで、経営責任を明確化するとともに、事業環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築しております。

(指名委員会)

指名委員会は、取締役候補者及び執行役の指名に加えて、上場会社を除く主要な直接出資子会社(三菱ケミカル㈱及び㈱生命科学インスティテュート)の社長候補者の指名を行います。また、指名過程の透明性・公正性を高めるため、委員長は社外取締役が務めることとしております。

委員会の構成(2017年6月27日現在)
社外取締役 社内取締役
委員長 橘川 武郎
委員 國井 秀子
橋本 孝之
小林 喜光
越智 仁

(監査委員会)

監査委員会は、執行役及び取締役の職務執行の監査、当社グループの内部統制システムの検証等を行っており、原則として毎月1回開催することとしております。監査委員は、2017年6月27日現在で社外取締役3名を含む5名であります。また、常勤の監査委員を2名選定するとともに、監査委員会と会計監査人、内部監査を実施する監査室及び内部統制システム整備の方針策定・推進を担う内部統制推進室が緊密に連携するなどして、監査委員会による監査体制の充実を図っております。社内各部門との十分な連携を確保し、情報収集を円滑に行うため、委員長は常勤の監査委員である社内取締役が務めることとしております。

さらに、監査委員会の職務を補助する組織として監査委員会事務局を置き、監査委員会の指示のもと、監査の補助にあたらせております。監査委員会事務局に所属する従業員の人事(異動、評価等)及び監査委員会事務局の予算の策定については、監査委員会の承認を得ることにしております。

なお、監査委員梅葉芳弘氏は、経理・財務に関する長年の業務経験があり、また、監査委員伊藤大義氏は、公認会計士の資格を有しており、両氏はそれぞれ財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。

委員会の構成(2017年6月27日現在)
社外取締役 社内取締役
委員長 梅葉 芳弘
委員 伊藤 大義
渡邉 一弘
國井 秀子
浦田 尚男

(報酬委員会)

報酬委員会は、取締役及び執行役の個人別の報酬額の決定に加え、上場会社を除く主要な直接出資子会社(三菱ケミカル㈱及び㈱生命科学インスティテュート)の社長の個人別の報酬額を決定しております。また、決定過程の透明性・公正性を高めるため、委員長は社外取締役が務めることとしております。

委員会の構成(2017年6月27日現在)
社外取締役 社内取締役
委員長 伊藤 大義
委員 橘川 武郎
渡邉 一弘
大平 教義
小酒井 健吉

(執行役)

執行役は、取締役会の定めた経営の基本方針(中期経営計画、年度予算等)に基づく、業務執行の決定及びその執行を担っております。当社グループの経営における重要事項については、執行役による合議機関である執行役会議で審議のうえ、これを決定し、また、その他の事項については、各執行役の職務分掌を定めることに加え、担当執行役の決裁権限を明確にすることで、適正かつ効率的な意思決定がなされるようにしております。

(執行役会議)

執行役会議は、全ての執行役により構成され、当社及び当社グループの経営に関する重要な事項について審議・決定するとともに、中期経営計画、年度予算等に基づき、当社グループの事業のモニタリングを行っております。

なお、監査委員及び事業会社の社長は、執行役会議に出席し、自由に意見表明ができることとなっております。

コーポレート・ガバナンスの強化の変遷

時期 実施内容 目的
2006年6月 株式報酬型ストックオプションの導入 役員報酬の株主価値との連動
2013年6月 社外取締役の選任・就任 経営の監督体制の強化
2014年6月 外国人取締役の選任・就任 取締役の多様性の向上
2015年6月 女性取締役の選任・就任
指名委員会等設置会社へ移行
取締役の多様性の向上
経営の透明性・公正性の向上、経営監督機能の強化

社外役員の独立性に関する基準

社外取締役は、以下の要件に該当せず、一般株主と利益相反の無い公正かつ中立的な立場で当社経営の監督にあたることができる者を選任しています。

1. 当社の関係者

① 当社グループの業務執行者(業務執行取締役、執行役、執行役員、支配人、従業員、理事、パートナー等をいう。以下同じ)
② 過去10年間において当社グループの業務執行者であった者

2. 主要株主

当社の総議決権数の10%以上を直接若しくは間接に有する者又は法人の業務執行者

3. 主要な取引先

① 当社および当社グループの事業会社(三菱ケミカル(株)、田辺三菱製薬(株)、(株)生命科学インスティテュートおよび大陽日酸(株)をいう。以下同じ)を主要な取引先とする法人※1の業務執行者
② 当社および当社グループの事業会社の主要な取引先※2の業務執行者

4. 会計監査人

当社グループの会計監査人又はその社員等

5. 個人としての取引

当社および当社グループの事業会社から年間1,000万円以上の金銭その他財産上の利益を得ている者

6. 寄付

当社および当社グループの事業会社から年間1,000万円以上の寄付・助成を受けている者または法人の業務執行者

7. 役員の相互就任

当社グループの役員・従業員を役員に選任している法人の業務執行者

8. 近親者等

① 当社グループの重要な業務執行者の近親者等(配偶者、二親等以内の親族又は生計を同一にするものをいう。以下同じ)
② 3から7に該当する者の近親者等
③ 過去3年間において3から7に該当する者

※1 当該取引先が直近事業年度における年間連結売上高の2%以上の支払いを当社および当社グループの事業会社から受けた場合、当社を主要な取引先とする法人とする。
※2 当社および当社グループの事業会社が直近事業年度における年間連結売上高の2%以上の支払いを当該取引先から受けた場合または当該取引先が当社グループに対し当社の連結総資産の2%以上の金銭を融資している場合、当該取引先を当社の主要な取引先とする。

社外取締役の選任理由

氏名 選任理由
橘川 武郎 橘川武郎氏は、経営史の視点からの会社経営に関する高い見識やエネルギー産業論の専門家としての経験を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、橘川武郎氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
伊藤 大義 伊藤大義氏は、公認会計士としての経験や高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、伊藤大義氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
渡邉 一弘 渡邉一弘氏は、検察官、弁護士としての経験や高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、渡邉一弘氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
國井 秀子 國井秀子氏は、会社経営の豊富な経験や情報処理分野における専門家としての経験に加え、内閣府男女共同参画推進連携会議議員を務めるなど、ダイバーシティ推進に関して有する高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、國井秀子氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。
橋本 孝之 橋本孝之氏は、グローバル企業の日本法人で社長、会長を歴任するなど、会社経営の豊富な経験を有するとともに、ICT(情報通信技術)に関する高い見識を活かし、現在、当社の社外取締役として適切な役割を果たしていることから、社外取締役に適任であると判断し、選任しております。
また、橋本孝之氏は、当社が定める独立性の基準をみたしており、当社は同氏を株式会社東京証券取引所の定める独立役員として指定しております。

社外取締役の活動状況

氏名 活動状況 取締役会などへの出席状況
(2016年度)
橘川 武郎 取締役会では、経営史の視点からの会社経営に関する高い見識やエネルギー産業論の専門家としての経験を活かし、必要に応じて発言を行っています。また、指名委員会では、委員長として、委員会の議事運営を行うとともに、その結果を取締役会へ報告するなど、その職責を果たしています。報酬委員会では、委員として委員会で必要に応じて発言を行っています。 取締役会 9回/10回
(90%)
指名委員会 8回/8回
(100%)
報酬委員会 6回/6回
(100%)
伊藤 大義 取締役会では、公認会計士としての経験や高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っています。また、監査委員会では、委員として監査計画を立案し、監査の実施状況とその結果を聴取するとともに、必要に応じて発言を行っています。報酬委員会では、委員長として、委員会の議事運営を行うとともに、その結果を取締役会へ報告するなど、その職責を果たしています。 取締役会 10回/10回
(100%)
監査委員会 13回/13回
(100%)
報酬委員会 6回/6回
(100%)
渡邉 一弘 取締役会では、検察官、弁護士としての経験や高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っています。また、指名委員会及び報酬委員会では、委員として各委員会で必要に応じて発言を行っています。監査委員会では、委員として監査計画を立案し、監査の実施状況とその結果を聴取するとともに、必要に応じて発言を行っています。 取締役会 10回/10回
(100%)
指名委員会 2回/2回
(100%)
監査委員会 13回/13回
(100%)
報酬委員会 6回/6回
(100%)
國井 秀子 取締役会では、会社経営者や情報処理分野の専門家としての経験に加え、ダイバーシティ推進などに関する高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っています。また、指名委員会では、委員として委員会で必要に応じて発言を行っています。監査委員会では、委員として監査計画を立案し、監査の実施状況とその結果を聴取するとともに、必要に応じて発言を行っています。 取締役会 10回/10回
(100%)
指名委員会 8回/8回
(100%)
監査委員会 13回/13回
(100%)
橋本 孝之 取締役会では、会社経営の豊富な経験やICT(情報通信技術)に関する高い見識を活かし、必要に応じて発言を行っています。指名委員会では、委員として委員会で必要に応じて発言を行っています。 取締役会 6回/7回
(85.7%)
指名委員会 4回/6回
(66.7%)

取締役および執行役の報酬決定方針

取締役と執行役の報酬は別体系とし、以下の考え方に基づき、報酬委員会が決定しております。

報酬額

区分 報酬等
支払人員(名) 支払額(百万円)
取締役(社内) 8 205
取締役(社外) 5 60
執行役 8 297
合計 21 562

(注)
1. 執行役を兼務する取締役に対しては、上記の報酬の決定方針のとおり執行役として報酬等を支払っております。
2.上記の取締役(社内)の報酬等の支払額には、ストックオプションによる報酬6百万円が含まれております。
なお、当該報酬は、前期に執行役を務めていた取締役(社内)に対し、執行役在任時の業績報酬として支給されたものです。
3.上記の執行役の報酬等の支払額には、ストックオプションによる業績報酬29百万円が含まれております。
4.上記の取締役(社内)および執行役の報酬等の支払額のほか、取締役(社内)および執行役が役員を兼任するMCHCの子会社からの報酬等として、取締役(社内)の報酬等が341百万円、執行役の報酬等が169百万円あります。
5.上記の取締役(社外)の報酬等の支払額のほか、MCHCの子会社の監査役を兼任している取締役(社外)に対する報酬等として、MCHCの子会社である三菱化学㈱および三菱樹脂㈱からの報酬等が11百万円あります。

リスク管理

MCHCグループは、リスクを「企業活動に潜在し、MCHCグループの社会的信頼または企業価値を損ねるおそれのある事象である」と定義しています。それらのリスクを認識、分析、評価し、重大なリスクの顕在化を防ぐとともに、万一、リスクが顕在化した場合に、人的・経済的・社会的な損害を最小限にとどめる活動を推進しています。

リスク管理体制

MCHCは、リスク管理の基本的な考え方に基づき、「三菱ケミカルホールディングスグループ・リスク管理基本規程」を定め、グループ全体のリスク管理体制を整備しています。リスク管理に関する重要事項は、MCHCグループのリスク管理に関する基本方針やリスク管理手順に基づき、経営会議で審議され、グループのリスク管理統括責任者であるMCHC社長が意思決定を行います。その状況は、随時、取締役会に報告され、特に重要な事項は取締役会にて決議します。
また、MCHCにおけるリスク管理担当部署を内部統制推進室とし、内部統制推進室担当執行役は、リスク管理統括責任者である社長を補佐し、リスク管理に関する全般の業務を掌理しています。MCHCグループの従業員に対しては、リスク管理体制に従い、常に自らが担当する業務に関連したリスクが顕在化することのないよう努めるとともに、重大事案などが発生した際は、速やかに職制などを通じてリスク管理担当部署に報告するよう促しています。

リスク管理プロセス

MCHCグループは、3つの視点からリスクを認識、分析、評価し、それぞれのリスクに対応しています。

( 各部署が洗い出すリスク)
MCHCグループ各社では、各部署が年に1回、人的損失、経済的損失、社会的信用度低下などの影響度の大きさと発生頻度を考慮に入れたリスクの洗い出しを行っています。これらリスクを、重要性に応じてランクづけし、然るべき管理部署が対応策を講じています。

(現在の社会情勢から懸念されるリスク)
刻々と変化する社会情勢を見据えながら、各国の政治的・社会的リスクや地球温暖化など、現在の社会情勢から懸念されるリスクを想定しています。これらのリスクがMCHCグループで顕在化した場合に備えて、それぞれへの対応策を講じています。

( 経営幹部が想定するリスク)
経営幹部は、所管する事業・業務を遂行するにあたり、上記2種類のリスクも考慮したうえで、グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクについて、所管部門に適切な対応策を講じるよう指示しています。

MCHCグループが取り組む重大リスク

MCHCは、リスク管理プロセスによって、重点的に取り組むべき主要なリスクとして以下のリスクを抽出しています。これらのリスクを認識したうえで、リスク発生の回避およびリスク発生時における損害の最小化に努めています。

(コンプライアンス違反)
MCHCと各事業会社は、コンプライアンスを着実にグループ内に浸透させるために、企業行動憲章をはじめとする規則、基準の策定やガイドブックの作成、教育研修・講習会などの啓発活動や業務監査の実施、またホットラインの運用、管理を行っています。海外のグループ会社においても、各国の法制や社会規範に合わせた行動規範、推進規程を策定してコンプライアンスの強化に取り組んでいます。

(事故・労災)
MCHCグループの各事業所では、保安事故を未然に防ぐため、適切な設備の保全と運転員に対する教育の充実を進め、健全な設備と正しい運転操作の担保を図っています。万一、事故が発生してしまった場合は、要因を解析し、対策を講じ、その有効性を監査やパトロールで検証することによって、再発防止を図っています。また、その防止策を類似の設備や運転操作に水平展開し、事故の未然防止に努めています。

(情報セキュリティ)
社内外の脅威から情報システム資産を保護し、グループとして企業価値の維持・向上を図っていくために、「情報セキュリティポリシー」を制定しています。同ポリシーに基づき設置した情報セキュリティ委員会を中心に、国内外の拠点における情報セキュリティの維持・管理の強化を図っており、海外を含む全構成員に対して、情報セキュリティーポリシーの順守と周知徹底を図るために啓発・教育を定期的に実施しています。

(海外事業展開リスク)
グループ会社の海外進出が活発するなか、進出国に特有の法令や制度に起因した重大なリスクの認識漏れを防ぐために、進出国ごとに過去に起きた重大事件、法令違反などを公開媒体から抽出・整理した「グローバル・リスクマップ」を作成し、海外のグループ会社が利用できるように配付しています。今後は、対象国を増やし一層の充実を図っていきます。また、進出先での政変などの混乱に備え、現地と各事業会社の本社およびMCHCとの連絡系統を定め周知しています。

(自然災害)
2011年の東日本大震災においてグループのいくつかの拠点が被災した経験を活かし、従来取り組んでいた事業継続計画をさらに充実化しMCHCの本社が所在する東京地区での業務継続が不能となった場合の一時的な本社機能の移管も含め、災害発生時における被害の最小化と事業の継続性の確保に努めています。また、原材料の調達と製品の供給責任については、調達先を複数に分散するなど、事業継続計画の一環として検討を進めています。

コンプライアンス

課題認識・基本的な考え方

MCHCグループは、「コンプライアンス」という言葉を“法令遵守”にとどまらず、企業倫理や社会の一般的ルールの遵守までを含めたより広い意味で捉えています。そして、社会からの信頼に応える企業であり続けるためにコンプライアンスを経営上の最重要課題と位置づけ、コンプライアンス浸透のための取り組みを行っています。

体制

MCHCの取締役会が選任したグループCCO※が推進の責任者となり、MCHCの内部統制推進室がMCHCグループのコンプライアンスに関する業務を推進する事務局としてCCOを補佐しています。事務局はMCHCグループの活動を支援するために、教育用共通ツールの制作のほか、海外グループ会社に対するホットラインの設置や教育を行なっています。また、北米、欧州および中国に設立した地域統括会社を通じ、地域の特性に合わせたコンプライアンスの徹底を図っています。各主要事業会社は、コンプライアンス推進委員会を設置し、各社の内部統制推進部門が事務局となり、MCHCグループのコンプライアンス基本規程に基づいてホットラインの運用管理や教育研修・講習会、業務監査、コンプライアンス意識調査などを実施しています。MCHCグループ会社では、コンプライアンス違反事案が発生した場合には、各社の内部統制推進部門やMCHC内部統制推進室に報告・相談し、是正処置と再発防止策を講じます。
※ Chief Compliance Officer( コンプライアンス推進統括執行役)