経営方針

2023年 9月発行 KAITEKIレポート2023より

5つの重要施策でEBITDAマージンを改善

三菱ケミカルグループは、2023年2月24日の「インベスターデイ2023」にて、2021年度から2025年度までの経営方針「Forging the future 未来を拓く」(2021年12月1日公表)に基づく詳細な実行計画と併せて2025年度における財務目標のアップデートを発表しました。効率性を追求した事業運営と事業の成長力を引き出す明確な戦略のもと、(1)市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ、(2)グループ全体におけるコスト構造改革、(3)分離・再編し、独立化を進める事業、(4)スリム化、デジタル化、エンパワーメント、(5)戦略的なキャピタル・アロケーションの5つを重要施策として、全てのステークホルダーにとっての価値の最大化をめざして各種施策に取り組んでいます。これら5つの重要施策を通じて、2021年度から2025年度までにEBITDA約1,000億円の成長、EBITDAマージン13%から18%への改善を実現します。
中でも(1)~(3)の主要3施策においては、(1)による事業成長を通じてEBITDAを約700億円拡大し、(2)のコスト構造改革では当初の目標1,000億円に対して約1,350億円とさらなる削減効果がある一方で、(3)の石化、炭素事業からのエグジットによりEBITDAが約1,100億円減少する見込みです。2025年度の目標達成に向けて、各々の実現可能性の高い計画に基づく取り組みを進めていきます。

(注)経営方針「Forging the future 未来を拓く」に基づく実行計画は、2025年度の目標値に向けて、2021年度の実績をベースとして掲載しています。

「Forging the future 未来を拓く」
の詳細はこちら

5つの重要施策 ~企業価値の最大化に向けて~

市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ
  • グローバルに収益性の高い市場に注力
  • 特定のアプリケーション(用途)に注力
  • サステナビリティ製品のリーダーとなる
グループ全体におけるコスト構造改革
  • ヘルスケアの事業再構築
  • オペレーショナル・エクセレンスの実現
  • サプライチェーン・調達の最適化に注力
分離・再編し、独立化を進める事業
  • 石化、炭素事業からエグジット
スリム化、デジタル化、エンパワーメント
(旧名称「戦略遂行のためのスリムな組織」)
  • スリム化、デジタル化、活性化された組織・人材へのシフト
戦略的なキャピタル・アロケーション
  • オーガニックグロースを加速
  • 将来の成長資金調達に向けバランスシートを改善
主要3施策によりEBITDAマージンを13%から18%に改善
EBITDAマージン 13% 18% EBITDA増減要因 2021年度 5024億円 市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ 約700億円 グループ全体におけるコスト構造改革 約1350億円 「Forging the future 未来を拓く」当初の目標:1000億円から増加 分離・再編し、独立化を進める事業 約-1100億円 2025年度 約6000億円

財務・非財務目標を達成し、2025年度以降のさらなる成長へ

財務目標としては、2025年度に向けた着実な利益成長の実現をめざし、EBITDA、EBITDAマージンをはじめとする収益性の向上に取り組みます。非財務目標では、化学業界としてGHG排出量の削減は必須であり、2030年度までに29%の削減(対2019年度比)を掲げています。廃棄物削減に関する目標に対しても、これまで以上に集中的に取り組んでいきます。顧客満足度はすでに高い水準にありますが、さらなる向上に努めていきます。また、従業員エンゲージメントや経営層のダイバーシティにおいても高い目標を設定しています。
経営方針「Forging the future 未来を拓く」は、私たちの将来像に向けた核となる戦略であり、2025年度に向けて5つの重要施策を加速させ強化していきます。そして、2025年度以降は、スペシャリティマテリアルグループへの変革を進め、さらなる成長をめざしていきます。

財務目標
EBITDA 2021年度 3943億円 ※1 5024億円 売上収益 39769億円 EBITDAマージン 13% コア営業利益 2723億円 ROIC 5% EPS ※3 125円 年率+11% ※2 2025年度 約6000億円 売上収益 約33750億円 EBITDAマージン 18% コア営業利益 約3650億円 ROIC 7% EPS ※3 約143円

※1 石化/炭素を除外した 2021年度 EBITDA
※2 石化/炭素を除外した EBITDA オーガニックグロース
※3 基本的1株当たり当期利益

非財務目標※4
GHG削減 Scope1+Scope2 29% 2030年度目標 (対2019年度比) 廃棄物削減 ※5 50% 2025年度目標 (対2019年度比) 顧客満足度 ※6 6pts 従業員エンゲージメント ※7 15pts 経営層のダイバーシティ ※8 7pts 2025年度目標 (対2020年度比)

※4 石化/炭素を含む
※5 2025年度までの産業廃棄物埋立量の削減率
※6 毎年実施している顧客アンケートに基づく満足度水準
※7 従業員意識調査における設定項目への好意的回答者の割合
※8 役員のうち多様性属性を有する者の割合。目標 40%

ロードマップ
フェーズ1:計画 5つの重要施策 市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ グループ全体におけるコスト構造改革 分離・再編し、独立化を進める事業 スリム化、デジタル化、エンパワーメント 戦略的なキャピタル・アロケーション  フェーズ2:実行 2021~2022年度 よりフォーカスされたポートフォリオへの道筋の明確化 2022年度は計画通りのコスト削減を実現し、さらなる施策を実施 複数の事業売却や石化事業の財務的カーブアウト 構造の簡素化や企業文化の変革を実施中 ネット D/Eレシオの改善 フェーズ3:加速 2023~2025年度 注力市場、グローバル展開、コマーシャライゼーション・エクセレンス 調達最適化、オペレーショナル・エクセレンス、一般管理費改善 炭素事業の売却、石化事業のJV設立 グローバル展開、デジタルEnd-to-endプロセス、拠点数削減、多様性がありインクルーシブな職場 成長、配当、バランスシートの健全化を促進するキャピタル・アロケーション フェーズ4 2025年度以降 変革のインパクトを掴み取るポジション確保

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