三菱ケミカルホールディングス社長 越智 仁 2016年年頭挨拶 (要旨)

2016年01月04日 その他

株式会社三菱ケミカルホールディングス


【2015年の振返り】
 
 安倍政権の経済政策により、過度な円高が是正されるなど、従来「7重苦」と称されていた企業活動への足枷が緩和され、原油価格が大きく下落したことを背景に、三菱ケミカルホールディングスとして最高益を維持している。関係者の努力に改めて御礼申し上げる。
 世界の経済環境については、米国は堅調な国内景気及び雇用情勢を背景にゼロ金利の解除に踏み切り、欧州も緩やかな回復基調が続いているが、中国は成長スピードの鈍化がいよいよ鮮明となっている。国内景気は緩やかな回復基調にあるものの、原油価格の動向等不透明な要因も多く、引き続き状況を注視する必要がある。
 
【2016年は新中計「APTSIS 20」始動の年】
 
 2016年は新たに策定した中期経営計画「APTSIS 20」の初年度である。三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンの統合準備、田辺三菱製薬の海外展開、生命科学インスティテュートの健康・医療ICT事業の立上げ、大陽日酸の海外展開の加速など、“成長と変革への第一歩の年”と言える。
真にグローバルな「THE KAITEKI COMPANY」への進化のためのキーワードは、「成長」、「脱日本中心主義」、「差異化」の3つである。
 「成長」にとって最も重要なのがビジネスモデルの構築である。化学3社統合をベースに、協奏、インテグレーションを強化することで、新たな製品、新たな市場の開拓を加速して、高成長・高収益型の事業体をどのように生み出すのか、海外での成長を加速させるための欧・米・中・アジアのマネジメント体制をどのように構築するのかなど、国内外のメンバーで検討を深めたい。
 「差異化」については、ICT、IoT、AIが重要。「APTSIS 20」の次世代事業の中に“ビッグデータ・ICT利用ソリューション”を組み込んだが、サプライチェーン構築による高付加価値製品の開発・製造、健康・医療ICTなど、多くの事業でビッグデータ・ICTを応用することを期待する。
 企業価値の評価として、財務価値のみならず非財務価値も重視されてきている。資源・エネルギーの効率的利用、気候変動への対応、水資源の確保などの重要な課題へのソリューション提供を推進すべくMOS指標を改訂した。KAITEKI経営の実践へ向け着実に取り組んで頂きたい。
 
【事故やコンプライアンス違反は企業の存続を揺るがす】
 
「コンプライアンスと安全」は企業のすべての基盤であり、「コンプライアンスと安全」をおろそかにすることは、企業の存続そのものを根底から揺るがす。一人ひとりが真摯に考え、誠実に行動することを徹底させていきたい。
 
【2016年度は「健康経営」のスタートの年】
 
 企業にとって従業員は一人ひとりが企業価値を生み出す源泉であり、従業員にとって働き甲斐があり、生き甲斐をもたらす職場を作り上げることは、企業価値そのものの向上に直結する。
 従業員の健康管理を経営の視点から考え、経営の明確な意志の下、従業員の健康増進を戦略的に実践する「健康経営」の方針を本年4月に打ち出す。2017年4月から実践できるよう各社で着実な準備をお願いする。


[本件に関するお問い合わせ先]
株式会社三菱ケミカルホールディングス 広報・IR室
TEL 03-6748-7140

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