株式会社三菱ケミカルホールディングス 社長 越智 仁 新入社員歓迎式 メッセージ(要旨)

2016年04月01日 その他

株式会社三菱ケミカルホールディングス


 私たちを取り巻く事業環境は凄まじい速度で変化している。Industry 4.0やInternet of Things(IoT)に見られるように、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)を活用したオペレーションの高度化や開発の加速、バリューチェーンの囲い込みなどによる付加価値獲得競争はますます激化していくだろう。一方で、飛躍的に向上する人工知能は今後5-10年の間に、プロセス制御や製品の品質検査、分析・解析のオートメーション化といった面だけではなく、新たな素材・医薬品開発や、人とロボットが一体となった生産システムなどでも活用されるようになるだろう。世界の動き、技術の進歩にしっかりと目を向け、どのようなところにこれらを応用すれば「おもしろいこと」ができそうなのか、日々考えていくことが大切だ。
 

 一方で、気候変動、水不足、化石資源の枯渇、新興国の人口爆発と先進国の少子高齢化などのいわゆるグローバル・アジェンダは、私たちの持続可能性を危うくしており、その解決は全人類の課題であり続けている。
このような状況下、ステークホルダーが求める企業価値は多元化しており、企業には中長期的な成長実現だけでなく、世界の持続可能性への貢献を求めるのが時代の趨勢となっている。
 当社は、そうした世界の状況に先んじて、企業価値を財務のみに置く企業像から脱却し、無形資産を含む非財務価値も重視したKAITEKI価値を志向する姿勢を打ち出している。そして、イノベーションの追求(MOT)により、人類、社会、地球の持続可能性向上に資するソリューションを提供し(MOS)、高い成長性と収益力を実現する(MOE)ことを追求するKAITEKI経営を継続しており、昨年末に発表した新中期経営計画「APTSIS 20」においてもその信念を引き継いでいる。

 
 新中計において重要なキーワードは“成長”、“差異化”、“脱日本中心主義”の3つ。
研究開発やマーケティングにおける協奏、インテグレーションを強化することで、新たな製品開発、市場の開拓を加速して、高成長・高収益型の事業体を生み出すビジネスモデルをいかにして生み出し、“成長”につなげる。2017年4月には三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンを統合し、「三菱ケミカル株式会社」を発足させる。有形、無形の事業資源をフル活用して新たなビジネスモデルを構築し、高成長・高収益型の企業体を目指す推進力を高めていきたい。
 “差異化”された新素材の開発とその製造プロセス自体を差異化することは、競争力の源泉であり、私自身、技術屋として徹底的にこだわりたい部分だ。製造プロセスの解析から設備の異常推定等への利用、サプライチェーンの構築による高付加価値製品の開発・製造、物流の最適化、生命科学インスティテュートが取り組んでいる健康・医療ICTなど、多くの事業でビッグデータ・ICTを利活用することにより、“差異化”を確たるものとしたい。
 世界各地域の市場や文化にあわせたオペレーション、マーケティング体制の構築をはじめとするグローバル展開の深化、いわば“脱日本中心主義”というべきグローバルオペレーションの質的変化も欠かすことのできない重要な要素である。

 
 さて企業にとって従業員は大切なステークホルダーであり、一人ひとりが企業価値を生み出す源泉である。したがって、従業員にとって働き甲斐があり、生き甲斐をもたらす職場を作り上げることは、従業員の満足度向上を通じて、企業価値そのものの向上にも直結する。この観点から、この4月に、当社として健康経営を経営戦略に組み入れることを宣言する予定だ。
健康経営は従来の福利厚生的な従業員の健康管理とは次元を異にしている。それは、トップ自らが従業員の健康を重要な経営資源と位置づけ、戦略的な健康投資を行うことで、従業員の健康増進と職場の生産性向上、創造性の活性化を果たすとともに、利益の創出、企業価値の向上を達成するという、文字どおりの「経営」なのであって、当社における「KAITEKI経営」そのものである。
 一人ひとりが心身の健康を保ち、活き活きと仕事できることは、個人と家族にとってはもちろん、当社全体の生産性向上、創造性の活性化のためにも必須の要件である。

 
 地球環境と人間社会の持続可能な発展のために「KAITEKI価値」を提供し、自らも大きく成長することを使命とする「THE KAITEKI COMPANY」――私たち三菱ケミカルホールディングスグループの一員となった新入社員の皆さんには、次の3点を深く心に刻んでほしい。

1.創造力を鍛え、「KAITEKI価値」を実現せよ。
2.世界の競争は厳しい。常に世界に目を向け、挑戦することなくしては、生きていけない。
3.当社グループの豊富な技術・人材を徹底的に活用し、自分を磨いて仕事のプロになれ。


真にグローバルな「THE KAITEKI COMPANY」を構築するため、新入社員の皆さんの積極果敢なチャレンジと大いなる成長に期待する。
 
(ご参考 入社歓迎式参加社員数 249名)



[本件に関するお問い合わせ先]
株式会社三菱ケミカルホールディングス 広報・IR室
TEL 03-6748-7140

ページトップ