三菱ケミカルホールディングス社長 越智 仁 2019年年頭挨拶 (要旨)

2019/01/07 その他

株式会社三菱ケミカルホールディングス


【2018年の振り返り】
 2018年は、米中貿易戦争が世界経済の大きなリスク要因となるなど、国際協調による自由主義経済を基調とした世界の潮流が、一つの転換期を迎えたように思う。また、欧州ではBrexitの着地点が見えず、主要国の首脳も足元の政治基盤が脆弱になりつつある。
 このように政治・経済の見通しが不確実性を増す一方、当社としては大きな成長と高い収益を達成し、手ごたえを感じることができた一年だった。昨年12月、APTSIS 20の最終年度である2020年度のコア営業利益目標を3,800憶円から4,100億円に引き上げたが、グループの総力を挙げ、アクションプランを確実に実行することで必ず達成したい。
 改めて社会環境に目を向ければ、地球温暖化による自然災害の甚大化や食糧不足・フードロスの問題、水資源の偏在化など、地球を取り巻く環境の変化が著しく、一方では廃棄プラスチックの問題と循環型社会形成への動きが加速し、当社として取り組むべき課題が山積している。また、デジタル技術の急速な発展により、サイバーとリアルの垣根がますます曖昧になり、あらゆる物事が加速度的に変化するという、社会の大きな転換期が訪れようとしている。
 

【2030、2050年における社会のニーズ・リスクを評価し、次期中期経営計画の策定へ】
 2025年度に向けた次期中期経営計画を策定するにあたり、現在、2030年、2050年における社会のニーズやリスクを評価し、2030年におけるターゲットと2050年におけるゴールをそれぞれ設定すべく検討を進めている。次期中期経営計画では、中長期視点を強く意識して基本戦略を策定し、事業の拡大と社会貢献の解決への貢献を同時に成し遂げることを目指している。
 

【2019年は「成長の加速と新たな社会に向けた基盤強化」の年に】
 社会課題や産業構造の変化、科学技術の進展等により、状況が大きく変化し続ける中、当社が持続可能な発展を続けていくために、今こそしっかりとした事業基盤を築き上げることが重要である。今年、特に意識して頂きたいのは以下の3点である。

① 健康経営による人材の育成と活用
 私たち一人ひとりがイキイキと仕事に取り組み、充実感、満足感が得られるよう、個人の健康推進と働き方改革を積極的に推進していきたい。

② 「真のダイバーシティー」の確立
 性別、国籍等を問わず、すべての人が高い意欲を持って仕事に取り組めるよう、年功序列や終身雇用制度をはじめ人事システムの抜本的見直しを検討していきたい。

③ ITシステムの高度化とデジタルトランスフォーメーションの推進
 IT技術の利活用を進め、生産、R&D、販売、会計、経営管理等あらゆる業務の高度化・自動化を目指し、必要な投資を行っていく。

 2019年は「成長の加速と新たな社会に向けた基盤強化」の年にしたい。私たちのKAITEKI経営は、安全・安定生産、コンプライアンスの徹底、世の中のニーズに迅速に応えるソリューションの創出を通して、多様なステークホルダーの信頼を得る源泉となってきた。これからも力強くKAITEKI経営を推進し、「真にグローバルなTHE KAITEKI COMPANY」を築き上げていきたい。

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