三菱ケミカルホールディングスTHE KAITEKI COMPANY

省資源への取り組み

課題認識・基本的な考え方

三菱ケミカルホールディングスグループは、製品の製造に必要な原料や、電気、蒸気、水などのユーティリティーなどの使用量削減を通して、エネルギー資源や金属資源などの枯渇問題の解決に貢献したいと考えています。

主な活動

製造で使用する原料やユーティリティーの削減活動

既設プラントの製造プロセスや設備などを改善することによって、製造段階で使用する原料や、電気、蒸気、水などのユーティリティーの使用量を削減する活動を推進しています。

化石燃料から再生可能な原料(植物由来などの天然資源)への転換

近い将来、枯渇のおそれがある化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)を、植物由来などの天然資源を用いて再生可能原料へ転換する事業を推進しています。

製品中に含まれる希少金属の抑制

リチウムイオン電池正極材に含まれる希少性の高い金属(コバルト)を、性能を維持・向上させながら含有量を低減させた製品に転換していくことなどにより、希少性の高い金属の使用量を抑制しています。

製造プロセスで使用する希少金属の使用抑制

生産性を向上させながら、触媒などに用いられる金属の使用量を抑制する取り組みを行っています。

目標・実績

目標 原燃料88億円相当の省資源・省エネルギー効果を出す(目標2015年度)
実績 2013年度 74.2億円相当の効果

※集計対象範囲: 4事業会社(三菱化学、田辺三菱製薬、三菱樹脂、三菱レイヨン)の国内グループ会社の数値、1億円以上の効果のみ集計

目標 再生可能原料・材料の使用量を重油換算1万トンにする(目標2015年度)
実績 2013年度 600トン
2015年度 1,330万トン
2014年度 403トン
2013年度 600トン
目標 希少金属の使用を1,200トン(累積)抑制する効果を出す(目標2015年度)
実績 2013年度 570トン抑制

取り組み事例

2015年度

炭素繊維等がCO2排出量削減に貢献

MCHCグループは自動車向け材料やLED照明向け材料等の提供を通じて、環境負荷の低減、循環型社会の実現へ貢献しています。鉄の約4分の1の軽さと約10倍の強度をもつ炭素繊維は、自動車、航空宇宙、産業分野を中心に需要が拡大し、今後も市場の拡大が見込まれています。
MCHCグループは、強度に優れたPAN系と弾性率に優れたピッチ系の両方の技術を有する世界唯一のメーカーとして、現在は主に自動車、飛行機などへ採用されており、車体軽量化による燃費性能の向上を通じてCO2排出の削減に貢献しています。
また炭素繊維製品の需要拡大に伴って、資源のさらなる有効活用を実現するため、三菱化学の100%子会社で環境リサイクル事業を展開する株式会社新菱と炭素繊維リサイクルの事業化を推進しています。

2014年度

三菱化学:最新技術の導入によってコスト削減とCO2削減を実現

三菱化学鹿島事業所では、2012年にILLA International,LLC.(ロシア)と技術導入に関する契約を交わし、2014年7月、酸分解によるフェノール製造工程の技術改良を完了しました。機器設計および運転条件の最適化によって高度な制御システムを構築できたことで高収率・高安定な生産プロセスが実現し、原料の歩留まり改善ならびに運転トラブル回避が可能となりました。この技術改良によるコスト削減効果として年間6.7億円を見込んでいます。また、使用する天然資源量を削減できたことで、製品製造に伴うCO2発生量を年間1.8万トン削減できる見通しです。

三菱化学鹿島事業所ビスフェノール課の皆さん
三菱化学鹿島事業所ビスフェノール課の皆さん

三菱化学:バイオエンプラ「DURABIO」

産業の発展や便利な生活に貢献し、持続可能な社会に欠かすことのできないプラスチック。
MCHCグループは、限りある資源を大切にし、地球環境のバランスを保ちながらプラスチックを使用し続けていくために、原料の多様化を進めています。
三菱化学が開発した、再生可能な植物由来のイソソルバイドを原料にしたバイオエンプラ「DURABIO(デュラビオ)」は、耐衝撃性・耐熱性・耐候性などにおいて、従来の一般的なエンプラに勝る優れた特性バランスを有しています。さらに、発色性が良く、顔料を配合するだけでつややかな光沢のある表面をつくることができるうえ、表面が硬くて丈夫なので擦り傷がつきにくいという特長もあります。そのため、塗装工程が不要になり、塗料から発生するVOC(揮発性有機化合物)の排出や放出を低減でき、大気の環境負荷低減にも貢献します。
2013年、自動車メーカーのスズキ株式会社が追求する自動車部品としての機能と質感を両立させる材料着色素材として「DURABIO」の性能が認められ、「ハスラー」にバイオエンプラとして世界で初めてとなる自動車内装樹脂パネルへの採用が決定し、2015年には「アルトラパン」にも採用されました。また、マツダ株式会社での採用も始まっています。
現在年産5,000トンの生産能力を早期に年産16,000トンまで増強する計画のもと、自動車用途だけでなく、スマートフォンなどのディスプレイや高速道路用遮音壁など幅広い用途への展開を進めています。

バイオエンプラ「DURABIO」
バイオエンプラ「DURABIO」
「DURABIO」が採用された内装パネル
「DURABIO」が採用された内装パネル

2013年度

三菱化学:植物油を原料としたカーボンブラックの量産技術を確立

ゴム製品などに使われるカーボンブラックは、アントラセンなどの芳香族成分を豊富に含んだ石炭系・石油系重質油を原料として量産されており、従来の製法では芳香族成分の含有量が少ない植物油からカーボンブラックを量産することはできませんでした。こうしたなか、三菱化学株式会社は、石炭・石油系の鉱物資源から植物由来の非枯渇資源へ原料転換を図るための技術開発を推進。独自に培ってきた高機能カーボンブラックの製造技術を応用することで、植物油からカーボンブラックを高収率で量産する技術を確立しました。

三菱化学:省エネ型コークス製造技術の開発で「大河内記念生産賞」を受賞

2013年3月、第59回「大河内賞」の表彰式が開催されました。大河内賞は、優れた生産技術を表彰するもので、三菱化学株式会社が、新日鐵住金株式会社、株式会社神戸製鋼所、JFEスチール株式会社、日新製鋼株式会社と共同で開発した「石炭資源拡大を可能とする省エネルギー型コークス技術」が「大河内記念生産賞」を受賞しました。三菱化学株式会社を含む5社は国家プロジェクト「SCOPE21」に参画し、従来よりも低品位炭の使用比率を高めて製鉄用コークスを製造することに成功。これが評価され、今回の表彰につながりました。なお、この技術はすでに新日鐵住金株式会社のコークス炉で採用されています。

表彰式に出席した加藤コークス石炭GM、吉村常務、石塚社長、渡部炭素企画室長(左から順に)
表彰式に出席した加藤コークス石炭GM、吉村常務、石塚社長、渡部炭素企画室長(左から順に)

※ Super Coke Oven for Productivity and Environmental enhancement toward the 21st century(石炭高度転換コークス製造技術の開発)。製鉄産業が既存コークス炉の設備更新時期を控えていることを踏まえ、原料用石炭の炭種制約緩和、石炭による環境問題の改善、省エネルギー型で生産効率の高いコークス製造プロセスの開発を目的に進められた国家プロジェクトです。