三菱ケミカルホールディングス

THE KAITEKI COMPANY

Comfort指標

C-1 より快適な生活のための製品の開発・生産

C-1-1 コンフォート商品の売上を4,000億円増加(10年度比)させる

「便利」「楽しみ」「安らぎ」「安心」などに貢献する商品を拡販し、人々に快適な生活を届けます。

2015年度2,291億円(10年度比)

MCHCグループは、「便利」「楽しみ」「安らぎ」「安心」に貢献する商品をコンフォート商品と定義し、これに該当する製品の売上を、2010年度比で4,000億円増加させることを目標としています。MOS指標策定当時、MCHCグループにとって人々のComfort(快適)への貢献度を数値化することは難しい課題でした。検討の末、コンフォート商品を普及させていくことが広い範囲に快適を提供していくことにつながると考え、売上金額の増加を目標としました。

三菱樹脂 炭素無機化学や紡糸技術から生まれたアルミナ繊維「MAFTEC」

走行中の振動と高温に耐えられるクッション材「MAFTEC」
走行中の振動と高温に耐えられるクッション材「MAFTEC」
「MAFTEC」の特長
「MAFTEC」の特長

自動車の排ガス中に含まれるNOxやPMによる大気汚染の改善は、重要な環境・社会課題の一つです。有害物質の排出低減に向けて、日本・欧州・北米を中心とする各国では排出ガス規制が強化され、有害物質を吸着して分解する排ガス処理装置装備の義務づけが進んでいます。この自動車排ガス処理装置内の浄化機器システムを保護するクッション材(把持材)として世界No.1のシェア40%を有しているのが、三菱樹脂のアルミナ繊維「MAFTEC」です。MCHCグループの炭素無機化学や紡糸技術から生まれた「MAFTEC」を加工したサポートマットは、安定した結晶構造と独自のニードルパンチ製法により高い耐熱性・断熱性・寸法安定性を維持し、1,000℃以上にもなる高温環境下でも長期にわたって走行に耐えるクッション性能を発揮します。
また、オンリーワンの繊維径コントロール技術によってアルミナ繊維の平均繊維径は5~7μmに制御されているため、肺の奥まで入って人体に有害な影響を及ぼす可能性のある3μm以下の繊維はほとんど含んでおらず、高い安全性を有していることも大きな強みです。世界各国での排出規制強化の動きや燃費改善要請への高まりによって、浄化機器システムの高性能化が進むのに伴い、高性能・高機能な「MAFTEC」の優位性はますます高まっています。
環境配慮志向の高まりに加え、自動車の生産拡大などによる旺盛な需要に応え、三菱樹脂では、積極的な設備投資による生産能力の増強を進めています。2015年度は、坂出工場(香川県)において製造ライン増設を実施し、総生産能力は年産6,500トンになります。今後も、多くのお客さまの採用による「MAFTEC」の普及を通して、環境の改善や省エネルギー化に貢献していきます。

三菱レイヨン MMA・PMMAバリューチェーン

MMA・PMMAの生産拠点
MMA・PMMAの生産拠点
水族館採用例
水族館採用例
アクリル樹脂
アクリル樹脂

MMA(メタクリル酸メチル)は、アクリル樹脂(MMAポリマー)をはじめ樹脂改質剤や高機能塗料などの原料として、産業や社会の発展に広く貢献している素材です。MMAの主な誘導品であるアクリル樹脂は、高い透明性や耐候性をもつと同時に加工性に優れ、コンビニエンスストアなどの看板標識、自動車のテールランプ、携帯電話の表示窓、液晶ディスプレイ用バックライトの導光板、水族館の水槽などさまざまな用途に活用されています。また、アクリル樹脂は解重合によるリサイクルが可能であり、エコロジカル素材でもあるMMAは、将来も各国で需要の拡大が見込まれています。
三菱レイヨンは、約40%の世界生産能力シェアをもつMMAのグローバルNo.1サプライヤーとして、MMAモノマーを出発点に、ポリマーや加工製品、さらにそれぞれ汎用品から高機能品に至る幅広いバリューチェーンによる強固なビジネスモデルを構築しています。その核の一つが、MMAモノマーの製造技術です。三菱レイヨンでは原料の違う3種類の製法(ACH法、C4法、新エチレン法)を保有しており、世界各国の製造拠点で原料事情やコスト優位性を活かした生産を行っています。2008年に世界で初めて工業化した新エチレン法(C2法)は、メタノール・エチレンなどの容易に調達可能な汎用化学品を原料としており、設備の大型化が比較的容易でもあることから、既存の2製法と比べてコスト優位になる可能性の高い製法です。
もう一つの核が、MMAモノマーを出発点とするポリマーやその加工製品、すなわち成形材料、樹脂板、樹脂改良剤、樹脂フィルム、コーティング材料から、光ファイバーやロッドレンズといった豊富な製品群です。これらの幅広い製品ラインを活かし、顧客ニーズに対して技術力を背景にした高い品質ときめ細やかなカスタマイズ力でソリューションを提案し続けています。
さらに三菱レイヨンは、MMA事業競争力の一層の向上に向けて、グローバル運営体制を強化しています。米国・欧州・アジアの30を超える製造拠点全体で、チェーン展開の強みを活かした生産最適化を推進するとともに、適時適切な設備投資による生産能力の増強を実施しています。2014年度は、中国・上海拠点での能力増強を終了。サウジアラビアにおいてはSaudi BasicIndustries Corporationと共同で新エチレン法を用いた世界最大規模となる年産25万トンのMMA工場建設を開始するとともに、北米においては安価なシェールガスを原料とした同製法によるプラント建設の検討にも着手しました。既存プラントの効率改善とグローバル展開の深化を進めながら、MMA事業の拡大戦略を着実に遂行しています。

C-1-2 新商品化率を16%から30%に増加させる

新しい商品を提供することによって、心地良い生活の創造をサポートします。

2015年度の新商品化率25%
顧客のニーズを捉えた新商品の開発とその販売拡大により、目標達成をめざしています。

人々により快適な生活を提供するためには、既存の製品にとらわれず、新しい性能を有する製品を世の中に提供していくことが必要です。MCHCグループでは、新商品の割合を増加させることをめざしています。

新商品化率を16%から30%に増加させる

新商品化率の向上指標では、ステークホルダーのニーズを満たす新しいComfort価値の提供につながった製品を測定対象としています。APTSIS 15の5年間で、新商品化率は8%向上し25%となりましたが、目標の30%には未達となりました。ヘルスケア分野で糖尿病治療剤や関節リウマチ治療剤の計画どおりの上市や多発性硬化症治療剤などの海外市場での大幅な伸長が貢献する一方、機能商品分野や素材分野では次世代の成長牽引を期待する事業の立ち上がりの遅れが未達の要因となりました。APTSIS 20では、マーケットの視点からイノベーションの創出やR&Dの成果を測定する指標として、MOT指標に設定、運用することとしています。

C-2 ステークホルダーの満足度の向上

C-2-1 社外からの企業評価を向上させる

MOSを含めたすべての企業活動を推進し、外部評価を向上させます。

2015年度NICES51位

新聞社や出版社などから寄せられるアンケートには財務諸表では把握できない、Sustainability向上に貢献する活動を評価するものがあります。MCHCグループは、これらのアンケートを、MOS(Management of Sustainability)への取り組みを第三者によって評価してもらう機会と捉えています。MOSに関わる活動レベルの向上を図るとともに、MOSを含めたすべての企業活動に対する外部の企業評価※ランキングにおいて、上位選出をめざしています。

  • ※1 C-2-1指標が対象とする外部企業評価の一例
    日経NICES:日本経済新聞社が行う国内上場企業の総合ランキング
    Dow Jones Sustainability Indices:Dow Jones & Company Inc.による総合的企業評価

C-2-2 従業員に関連する指標の目標を達成する

従業員一人ひとりが働きやすく、働きがいのある職場づくりに取り組みます。

2015年度の目標に対して66.4%達成
モニタリングの実績を反映したさまざまな施策を検討、展開しています。

MCHCグループは、従業員がやりがいをもって働き、それを通じて成長することによって充実した生活を送ることが、個々の従業員の喜びのみならず、企業価値向上につながると考えています。具体的には、従業員に関連する指標を定め、その達成をめざし、さまざまな取り組みを推進しています。

従業員に関連する指標

C-2-2指標対象項目
従業員満足度
係長級以上社員に占める女性社員比率
総合職採用者に占める女性社員比率
主要現地法人の部長(Director)以上ポストに占める現地採用者の比率
長時間労働者の比率の低下
有給休暇の取得率の向上
自己啓発を行っている従業員の比率
自己啓発を行った従業員ののべ受講時間
ボランティア・社会貢献活動を行った従業員の比率

従業員の満足度を高める

2011年度から、MCHCグループの国内の従業員を対象とした意識調査を開始し、仕事に対するやりがいや職場の雰囲気に対する満足度の推移を調査しています。調査結果から、従業員満足のための取り組みの進捗と課題などを把握し、人事諸施策に反映しています。

多様な人材が活躍できる職場づくり

性別や国籍に関わりなく一人ひとりの従業員が活躍できる職場、そして多様な考えを尊重できる職場をめざしています。その一つの施策として、女性や現地法人におけるスタッフを育成し、指導的立場に登用される人材へ成長させる取り組みを推進しています。

ワーク・ライフ・バランスを実現できる職場づくり

従業員一人ひとりが仕事も生活も重視し、時間の制約のあるなかで生産性高く業務を行うこと、またライフサイクルに合わせて働き方を選べることは、とても重要なことと考えています。そこでMCHCグループは、長時間労働者の比率の削減、有給休暇取得率の向上への取り組みを進めています。

自己啓発や社会貢献への機会を増やす

従業員一人ひとりが主体的に自らの能力を高め、意欲をもって挑戦し、新たな価値や変革を生み出してくれることに期待をしています。日常業務の遂行を通じた能力開発(OJT)や各種研修、自己啓発支援などによって、従業員の自発的な能力開発を支援しています。また、イントラネットでボランティアに関する情報提供を行い、従業員の社会貢献活動を支援しています。

三菱レイヨン 地域と連携し障がい者の雇用・活躍を推進

防煙垂れ壁

MCHCグループでは、多様多彩な人材がその力を発揮し活躍することが組織の活性化につながるという考えのもと、障がいのある方の雇用を積極的に進めています。そのなかでも、三菱レイヨンの豊橋事業所では幅広い取り組みを行っており、これまで、各職場での就業可能な業務を洗い出して職域の拡大を図りつつ、地域の特別支援学校や就業支援センターなどの外部関係機関と連携しながら、個人の特性を尊重したマッチングや職場へのレクチャーを行ってきました。その結果、雇用者の活躍職場が広がり、職場でも活気や一体感が生まれています。今後も、一人ひとりの個性や能力を活かし、皆が働きがいをもって継続的に就労できる職場づくりをめざします。

恵州恵菱化成現地式のTPMで、生産現場のモチベーション向上

恵州恵菱化成の従業員
恵州恵菱化成の従業員

2006年から中国でMMAモノマーを生産・販売している恵州恵菱化成有限公司では、2010年度から人材育成と生産性向上をめざし、TPM(Total Productive Maintenance「全員参加の生産保全」)活動を開始しています。現地の文化や風習を踏まえた、全員参加の改善活動に取り組んだ結果、MMAモノマーの増産と加工ロスの大幅低減を達成し、生産現場のモチベーションも向上しました。

恵州恵菱化成は三菱レイヨンのグループ会社です。

三菱化学産休・育休からの早期復帰を支援するプログラムをスタート

「復職サポートプログラム」活用の様子
「復職サポートプログラム」活用の様子

三菱化学は女性の中長期的なキャリアを見据え、産休・育休の復職後にできる限り早期に休職前のパフォーマンスを発揮し、出産・育児という大きなライフイベントを迎えても活躍し続けてほしいという思いから、2013年2月に「復職サポートプログラム」を開始しました。このプログラムでは定期的に職制と仕事の状況や将来のキャリアについての考え方、自身や子どもの体調、育児と周囲のサポートの状況などについて確認し合いながら、能力を最大限に発揮できる働き方を会社とともに考えていきます。今後も、妊娠・育児中の女性が仕事において自分らしく活躍できる環境を整備していきます。

C-2-3 顧客満足度を80%以上に向上させる

顧客満足度調査によって顧客要望を把握し、より良い信頼関係を築いていきます。

2015年度の実績 72%

MCHCグループは、2012年度から開始した顧客満足度調査を、2013年度から海外の顧客へと対象を広げました。その実績などを考慮し、2015年度に顧客満足度調査結果を80%以上にすることを目標と定めました。今後も、アンケート回答を通じて得た顧客の要望を顧客との直接的なコミュニケーションによって解決することに努めます。

顧客満足度 2015年度 72.3%

C-3 より信頼される企業への努力

MCHCグループは、地域住民の方々に安心して生活していただけるよう、工場などでの安全操業に努めています。そして、継続的な雇用や行政への支援活動などを通じて、地域・社会の持続的な発展に貢献することをめざしています。MCHCグループは、こうした活動を継続的に推進し、より信頼される企業、より良い影響を与える企業になるために、5つの目標を定めています。

保安事故を削減する

2015年度の保安事故発生68%削減(ベース年度比)

安定運転への取り組み

SSOTを構成する要素技術

三菱化学では、トラブルによる生産効率の低下や運転停止を回避するため、超安定運転技術(SSOT: Super StableOperation Technology)と称する技術の開発、適用に取り組んでいます。例えば加熱や冷却のために用いられる熱交換器においては、内部が汚れることによって伝熱の効率が悪化し、余計な燃料を消費することとなり、さらにそれが閉塞にまで至ると、運転を継続することが不可能となって非常に大きな損失が発生します。このような問題の解決のため、現象の認知、理解、対策の立案、実施の各ステップからなるアプローチをとり、トラブルの原因を根本から考え、仮説を立てて各種要素技術を駆使して検証し、トラブルのないプラントの構築に貢献しています。特に認知と理解のステップは重要視しており、汚れを再現する実験装置や、運転データを用いた汚れ量推定技術などの開発も行っています。このような取り組みにより、生産ロスの回避や省エネの他、運転員の非定常作業の削減や機器の開放作業に伴う残留物の大気放出の危険性の低減など、MOS指標の向上に貢献しています。

環境事故を削減する

2015年度の環境事故発生0件

配管点検や排水管理を強化したことにより、環境事故ゼロを達成しました。

商品クレームを削減する

2015年度のクレーム発生61%削減(ベース年度比)

休業度数率を削減する

2015年度の休業度数率0.5

GPSに沿った製品の安全確認を製品の70%終了させる

2015年度のGPSに沿った製品の安全確認77%終了

三菱化学 化学品管理レベルを強化

2015年4月、三菱化学では化学物質管理のさらなる強化を図るため「化学品管理室」を発足しました。同室は、レスポンシブル・ケア活動の基盤となる製品管理責任(プロダクト・スチュワードシップ)の考え方を踏まえ、サプライチェーンを通じたリスクベースの化学品管理と積極的な安全性情報の提供に重点を置いた化学物質管理の徹底とレベル強化を図っていきます。また、世界規模で拡大している各国の新規法令の情報収集とグループへの情報発信、法令対応のための人材育成にも力を注いでいます。

三菱化学 協力会社との連携強化により、プラントの大規模定期修理工事を無事故で終了

定期修理工事 安全集会の風景

三菱化学の水島事業所は、2013年度に4年に1度のエチレンプラントをはじめとした連続運転施設の大規模な定期修理工事を行いました。工事の無事故完遂に向けて、着工の9ヵ月前から、協力会社とともに作業手順、ルール、3S、情報共有などのテーマについて徹底的に話し合い、作業体系を確立したことによって、保安事故、環境事故、休業・不休業「ゼロ」を達成しました。