リスク管理

リスクという言葉にはいろいろな意味がありますが、当社グループはリスクを「企業活動に潜在し、当社グループの社会的信頼または企業価値を損ねるおそれのある事象である」と定義しています。
それらのリスクを認識、分析、評価し、重大なリスクの顕在化を防ぐとともに、万一、リスクが顕在化した場合に、人的・経済的・社会的な損害を最小限にとどめる活動を推進しています。

企業行動憲章

『三菱ケミカルホールディングスグループ企業行動憲章』は、全13章から構成されており、私たち当社グループが、企業活動のあらゆる局面において高い倫理観と社会的良識をもって行動することを明確に宣言しています。
私たちが社会とともに持続的に発展していくための基本的な行動原則やKAITEKI実現に貢献する上での主要な課題に対する私たちの姿勢、KAITEKI実現に向けた基本的な考え方と取り組みについてビジネスパートナー等との共有をうたっています。

  • 自覚・責任
  • ステークホルダーの尊重
  • 環境・安全
  • 情報管理
  • 規範の共有
  • 説明責任・透明性
  • 人権の尊重
  • 公正な事業観光
  • 科学・技術
  • 法令等の遵守と構成・公平・誠実
  • 雇用・労働
  • 顧客満足
  • コミュニティ貢献

リスク管理

当社グループは、企業価値を向上することを使命として企業活動を行っています。この企業活動は、社会情勢や地球環境等、さまざまな外部環境との関係の中で行われていますが、これらの中にはリスクも潜在しています。

リスク管理体制

当社は、「三菱ケミカルホールディングスグループ・リスク管理基本規程」に基づき、当社社長をグループ全体のリスク管理統括責任者とするリスク管理体制を整備しており、当社グループ全体に影響のある、重大リスクの管理状況やリスク管理の方針については、当社のリスク管理委員会で審議決定されます。またその内容については、随時、取締役会に報告されます。
事業会社の社長は、各社グループのリスク管理統括責任者として、各社グループのリスク管理の仕組みを整備し、各社のリスク管理委員会を通じた運用を統括します。
そこにおいては、役員・管理職員・従業員の全員のリスク管理意識を醸成することが重要との認識から、それぞれの立場でリスク管理に関わることとしています。

リスク管理体制概念図:「MCHC取締役会」「MCHC リスク管理委員会」「各事業会社取締役会」「事業会社 各社リスク管理委員会」がある。「MCHC リスク管理委員会」は、「リスク管理委員長:社長(リスク管理統括責任者)」「副委員長」「事務局(内部統制推進室)」「委員」によって構成されている。「事業会社 各社リスク管理委員会」は、「リスク管理委員長:各社社長(リスク管理統括執行責任者)」「副委員長」「事務局」「委員」によって構成されている。事業会社の「リスク管理委員長:各社社長(リスク管理統括執行責任者)」は、「MCHC リスク管理委員会」に出席する。また、「MCHC リスク管理委員会」は「事業会社 各社リスク管理委員会」に指導を行い、「事業会社 各社リスク管理委員会」は「MCHC リスク管理委員会」に報告を実施する。なお、「MCHC取締役会」はMCHCの「リスク管理委員長:社長(リスク管理統括責任者)」を、「各事業会社取締役会」は事業会社の「リスク管理委員長:各社社長(リスク管理統括執行責任者)」を監督し、それぞれ報告を受ける。

各社リスク管理の流れ

1.リスクの洗い出し

当社グループ各社では、業態・事業特性などの内部環境や、各国の政治的・社会的状況などの外部環境から懸念されるリスクの洗い出しを行っています。また、各事業会社 ごとに統一的な仕組みで社内のリスクの全貌を把握し、対応するようにしています。

2.評価と対策の実施

各事業会社は、洗い出したリスクを影響度の大きさと発生頻度をもとに会社ごとの重要性に応じてランク付けし、対応策を選択したうえで、しかるべき管理部署が低減活動などの対策を講じます。また、経営幹部は、所管する事業・業務を遂行するにあたり、グループの経営に重大な影響を及ぼすリスク(重大リスク)を特定し、担当部署はその指示に従い適切な対策を講じています。

3.対策の精査

リスク対策は定期的に精査され、特に重大リスクへの対策については、事業会社ごとに定めたリスク管理統括責任者に対して報告されます。

4.監査

これらの一連のリスク管理活動が継続して適切に運用されるように、MCHCの監査部署が定期的な監査を行い、結果はリスク管理統括責任者に報告されます。

重大リスクへの取り組み

当社グループは、重点的に取り組むべき主要なリスクとして以下のリスクを抽出しています。これらのリスクを認識したうえで、リスク発生の回避およびリスク発生時における損害の最小化に努めています。

コンプライアンス

コンプライアンスを着実にグループ内に浸透させるために、企業行動憲章をはじめとする規則、基準の策定やガイドブックの作成、 教育研修・講習会などの啓発活動や業務監査の実施、またホットラインの運用、管理を行っています。海外のグループ会社においても、各国の法制や社会規範に合わせた行動規範、推進規程を策定しコンプライアンス強化に取り組んでいます。

事故・労災・大規模自然災害

各事業所では、保安事故を未然に防ぐため、適切な設備の保全と運転員に対する教育の充実を進め、健全な設備と正しい運転操作の担保を図っています。万一、事故が発生してしまった場合は、要因を解析し、対策を講じ、その有効性を監査やパトロールで検証し、再発防止を図っています。また、その防止策を類似の設備や運転操作に水平展開し、事故の未然防止に努めています。過去の大きな災害の経験を活かし、従来取り組んでいた事業継続計画をさらに充実させ、当社本社(東京)での業務継続が不能となった場合の一時的な本社機能の移管も含め、災害発生時における被害の最小化と事業の継続性の確保に努めています。また、原材料の調達と製品の供給責任については、調達先を複数に分散するなど、事業継続計画の一環として検討を進めています。

情報セキュリティ

社内外の脅威から情報システム資産を保護し、グループとして企業価値の維持・向上を図っていくために、「三菱ケミカルホールディングスグループ・情報セキュリティポリシー」を制定しています。同ポリシーに基づき設置した情報セキュリティ委員会を中心に、国内外の拠点における情報セキュリティの維持・管理の強化を図っており、海外を含む全構成員に対して、同ポリシーの遵守と周知徹底を図るための啓発・教育の実施と対策を講じています。たとえば、経済産業省が策定した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」に基づき、外部機関などと連携し、最新情報の収集や緊急対応体制の整備に力を入れて取り組んでおり、問題の発生を極力防ぐとともに、万一、発生した場合の被害を最小限に抑えるようにしています。また、標的型攻撃メールを模したメールを従業員に送信する対応訓練や、e-ラーニング活用により、情報セキュリティの意識向上を推進しています。

子会社ガバナンス

国内外を問わず、子会社のガバナンスに関しては、会社機関の役割の明確化や体制・制度の整備などにより、グループ全体のリスク低減に努めています。例えば、事業展開した国に特有の法令や制度に起因するリスクを軽減するため、国ごとに過去に起きた重大事件、法令違反などを公開媒体から抽出・整理し、グループ会社に周知するなどの取り組みをしています。さらに、当該国での政変などに備え、現地と各事業会社および当社との連絡系統を定め周知しています。

今後拡がるリスクへの対応

当社グループは、今後拡がることが予想される以下のリスクについても、中長期的な戦略を立てて取り組んでいます。

気候変動

化学産業はGHGを多く排出する産業である一方、その製品を通して、GHG排出量削減に貢献できる産業でもあります。照明や自動車のように、製品に対する環境基準や省エネ効果を重視する顧客に対して、GHG排出量の削減に対する要請に沿うことができない場合には、将来の収益に影響を及ぼすリスクがあります。そのため、当社グループでは、現在の中期経営計画APTSIS 20において、「GHG排出削減に貢献する製品・サービスの提供」という定量目標を掲げ、気候変動対策に貢献する製品の開発を進めています。

デジタル技術

AIやIoTといったデジタル技術が化学産業に劇的な変化をもたらす可能性がありますが、この変化に適正に対応できない場合には、当社グループの競争力が低下するリスクがあります。そこで、2017年4月に「先端技術・事業開発室」を設置し、統括責任者であるCIO及び、AI・IoT分野を担当するCDOを選任しました。この体制のもと、AI・IoT分野の技術を応用し、プロセス制御や製品の品質検査、分析・解析のオートメーション化、新たな素材・医薬品開発などを推進し、競争力の維持・獲得をめざしています。

若手人材

社会課題や環境問題への関心が高いとされるミレニアル世代の台頭を背景に、採用や雇用において適切な企業像を伝えられない場合、優秀な人材を喪失するリスクがあります。社会課題解決への貢献を通じた事業成長をめざすKAITEKI Vision 30の共有や、従業員意識調査の刷新といった施策により、ブランディングイメージの向上や、エンゲージメントの強化に努めています。

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