中期経営計画 「APTSIS 25」 Step1

コロナ影響を踏まえ、2 段階でAPTSIS 25 を策定

世界経済に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス。現在も先行き不透明な状況が続いていることから、
APTSIS 25ではwith/afterコロナの2つの時期に応じて計画を「Step1」「Step2」の2段階に分けて策定しました。

米中貿易摩擦、コロナ禍の拡大などにより、世界経済・社会はここ数年で大きく変化

政治/外交

  • 全体主義と民主主義の対立
  • 自国第一主義の台頭と国際協調のほころび
  • 「分断」による地政学的リスクの高まり
  • CN*への目標設定加速と規制強化

*Carbon Neutral
(カーボンニュートラル)

経済/企業

  • サプライネットワークの多様化によるリスク分散
  • 非対面・非接触への切り替え(eコマース)
  • 働き方改革/業務効率化の圧倒的な進展
  • グリーン化、デジタル化の加速

個人/社会

  • 環境など社会的価値の高まり
  • 安全/安心へのセンシティビティの向上
  • バーチャルでのサービス享受の機会拡大
  • リモートによる活動の一般化
  • 健康意識の高まり

出発点

COVID-19

コロナによる影響分析

  • コロナ影響と世界の動向
  • コロナ影響を踏まえた世界経済回復シナリオ
  • 事業領域別インパクト

中計策定の観点

  • 経営基盤強化(経営効率化・人事制度改革)
  • 事業戦略
    -リスク事業の再編・再構築の加速化
    -コロナ影響を踏まえた成長戦略
  • ヘルスケア成長戦略

with/afterコロナで段階分け

Step1 (with コロナ)

2021〜2022年度の計画を策定

事業収益力の回復、事業基盤の強化、成長に対する布石に重点を絞った施策を実行

KAITEKI Vision 30

Step2 (after コロナ)

2022年度に2023〜2025年度の計画を策定

コロナ禍による社会ニーズの変化に対応しながら、成長加速に重点を置き、
KV30の実現に向け大きく前進する期間とします。

財務数値(目線)

コロナによる不透明感が強い中、目線として、コア営業利益2,500億円、親会社株主帰属当期純利益1,200億円、ROE10%をめざします。

主要財務数値

コア営業利益
2,500億円
親会社株主帰属
当期純利益
1,200億円
ROE
10%

コア営業利益

*計画策定時(2021年2月)公表ベース

経営基盤

Step 1では、収益力の回復に不透明感がある中、自律的に達成可能な合理化と資産圧縮等で経営基盤を強化していきます。
合理化によって総額220億円の削減、資産効率化によって総額1,800億円の資産圧縮を実施していきます。

合理化/資産圧縮

  • 合理化によって総額220億円の削減を実施
  • 資産効率化の施策を通じ、総額1800億円の資産圧縮を実施
    -政策保有株式削減 650億円
    -CCC*改善 400億円
    -資産売却 750億円

    *キャッシュコンバージョンサイクル

オフィス省スペース化

  • 日本橋、大崎に分散していたグループ会社のオフィスをパレスビルに集約(削減効果:約150億円/10年)
  • 出社率MAX6割としたオフィスレイアウトへ(2021年度)
  • ハンコレス、ペーパーレスの実装による出社を前提としない業務プロセスへ
  • サテライトオフィスの拡充による働く場所・時間を自由選択

IT・デジタル活用による
作業効率化

  • 生産効率向上と業務改革の実現をサポートする取組み
    -顧客起点のデジタルサプライチェーンを意識したビジネスモデル改革
    -スマートファクトリーをめざした生産自動化・ロボット化・設備管理のデジタル化
    -マテリアルズ・インフォマティクス(MI)や最適化予測技術等のデジタル技術を活用したR&D加速

事業基盤

ビジネスモデル変革

事業の付加価値を高め、顧客のビジネス全体の最適化、さらには社会システム全体の最適化に貢献するビジネスモデルへと変革し、成長事業を拡大していきます。

ソリューション
提供体制強化の事例

部品供給体制を確立し、炭素繊維・複合材料のモビリティ分野でのさらなる事業拡大を進めるとともに、
原料からリサイクルまで一貫したビジネスモデルを構築していきます。

炭素繊維複合材料事業の強化(Step1)

  • PCM*、CF-SMC**を中心に事業強化
  • C.P.C.社隣接地(イタリア)にCF-SMC製造設備を新設、パーツのデザイン・成形・塗装・組立まで一貫したソリューション提供体制の構築

    *Prepreg Compression Molding
    **Carbon Fiber-Sheet Molding Compound

    CF-SMCが採用されたトヨタ「GR ヤリス」※画像提供:トヨタ自動車社

リサイクルビジネスモデル構築(Step2)

  • CFK社、carboNXT社、Mingerグループ、および新菱社の技術を深耕し、炭素繊維複合材料やエンプラのリサイクルビジネスモデルを構築、CO₂排出削減に貢献

次世代事業の取り組み

成長事業領域における次世代事業については、課題解決が期待されるR&Dテーマを設定。MIの活用による材料設計、オープンイノベーションのさらなる推進、量子コンピュータを活用したR&D効率化とともに、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)によるスタートアップの活用も進めます。

成長事業領域 ソリューション R&Dテーマ例 技術・製品イメージ
GHG低減
  • モビリティ軽量化
  • 電化ソリューション
  • 分散エネルギーマネジメント
  • 高強度軽量材料
  • 次世代電池材料
  • 熱マネジメント材料

モビリティ軽量素材イメージ図

炭素循環
  • バイオプラスチックソリューション
  • ケミカル・マテリアルリサイクル
  • CO₂回収・利活用
  • 水素社会
  • バイオマスプラスチック
  • プラスチックリサイクル技術
  • 人工光合成
  • CO₂フリー水素ステーション

CO₂フリー水素ステーション

食糧・水供給
  • 分散型食糧・水システム
  • 代替食品・おいしさソリューション
  • 高機能性包材
  • 食品保存用ガス

機能性包材イメージ図

デジタル社会基盤
  • 次世代高速通信ソリューション
  • 半導体ソリューション
  • 次世代ディスプレイソリューション
  • 次世代通信関連材料
  • 半導体先端材料
  • 次世代ディスプレイ材料
人快適化
  • ヒト・ロボット共生空間ソリューション
  • 抗ウイルス・抗菌素材
  • 非接触関連材料
医療進化
  • 再生医療
  • 予防医療
  • プレシジョンメディシン
  • Muse細胞
  • 細胞培養周辺素材
  • VLPワクチン
  • 遺伝子創薬
  • フェノタイプ創薬

Muse細胞
※画像提供
出澤 真理先生
(東北大学大学院医学系研究科 細胞組織学分野 教授)

VLP
ワクチン
イメージ図

事業戦略

事業ポートフォリオ戦略

将来的な社会課題解決への貢献度で見るMOSの視点、技術イノベーションの余地や他のソリューションへの技術応用等で見るMOTの視点、そして、収益性や市場の成長性で見るMOEの視点で総合的に評価し、中期的な成長に貢献する事業を見極めていきます。
また、外部環境に左右されにくい安定した収益構造にすべく、需要構造の変化といった事業の将来リスクや社会ニーズの変化による成長機会を踏まえて事業を検証し、ポートフォリオマネジメントの強化を図ります。

ポートフォリオ改革の基本方針

社会ニーズの変化や事業の将来リスクを踏まえ、
MOS・MOT・MOEの3軸評価による4象限ポートフォリオマネジメントを推進していきます。

環境規則の変化や強化に
対応した事業構造の事例

カーボンケミカル(石精との連携強化)
鹿島石油社と三菱ケミカル茨城事務所一体での操業最適化により競争力を強化するとともに、廃プラスチックのケミカルリサイクル実現に向けた取り組みを進めています。

成長事業領域における事業戦略 ー社会ニーズ変化から成長が加速される分野への布石ー

KV30では、社会課題の解決に貢献する事業領域から成長が期待される事業群を特定し、成長事業に育てることをめざしました。コロナで拡大するニーズに対応し、ビジネスモデル変革とイノベーションを加速します。

成長が期待される事業群

社会ニーズを踏まえた
事業化加速の事例

ワクチン事業の進展
カナダのメディカゴ社において、2021年の北米上市をめざし、VLPコロナワクチンの開発を進めています。日本においては、BIKENグループとの協業により、小児・成人の感染予防と安全供給を促進し、ワクチン事業全体で2025年度の売上収益1,000億円超をめざします。

各領域の取り組み内容

GHG削減
  • 炭素繊維・複合材料のモビリティ分野でのさらなる事業拡大を進めるとともに、ケミカル・マテリアルサイクル等のトータルソリューションを提供
  • リチウムイオン電池材料の進化と次世代電池材料への対応により、電気自動車の普及や再生可能エネルギーの活用拡大に貢献
炭素循環
  • バイオマス/生分解性プラスチックの提供を通じ、低環境負荷サイクルの実現に貢献
  • CO₂資源化に貢献する「人工光合成」技術を通じ、ビヨンド・ゼロ実現に貢献
  • 水素ステーションの提供を通じ、水素社会の実現に貢献
食糧・水供給
  • 食品包材の高機能化により、フードロスの低減に貢献
  • バイオマス化やリサイクル・リデュース関連技術によりサーキュラーエコノミーに貢献
デジタル社会基盤
  • 先端材料開発と環境負荷低減サービスを組み合わせた半導体関連ソリューションビジネス拡大/食品包材の高機能化により、フードロスの低減に貢献
  • 5G・次世代通信向けデバイスに寄与する高機能部素材の提供を通じ、デジタル社会実現に貢献
人快適化
  • 安全性・利便性を向上させる部素材により、人の快適化を実現
医療進化
  • 中枢神経、免疫炎症の研究基礎とモダリティの組み合わせでポートフォリオ拡大
  • プレシジョンメディシンにR&D費を集中的に投資増加させ、2025年度以降に上市品拡大をめざす
  • Muse細胞を用いた再生医療等製品の開発・事業化を進め、2021年度申請、2022年度承認をめざす
  • VLPワクチン×アジュバントで感染症予防に貢献

DX戦略

2017年度から構築してきたDX推進体制が新たなフェーズに入ります。KV30を具現化するためのDXグランドデザインを策定し、製造、サプライチェーン、経営、働き方などあらゆる面でDXを活用していきます。

サステナビリティマネジメント

「2050年カーボンニュートラル(CN)」も見据え、KV30で掲げる2050年の環境インパクトニュートラルの達成に向けた基盤構築を進め、バリューチェーン全体でCO₂排出量の客観的な評価を可能にするLCA算出システムの完遂や、社内カーボンプライシングの導入にも取り組んでいきます。
CNの実現には、排出削減だけではなく、排出されるCO₂を利活用する技術革新と事業モデル確立が必須です。当社としてはここを成長機会と捉え、CO₂資源化に向けたイノベーションを加速していくことが社会からの要請と考えています。

サーキュラーエコノミーの推進

炭素・プラスチック・水資源の循環をテーマにサーキュラーエコノミーを推進していきます。

炭素(CO₂)の循環

炭素循環

  • GHG削減とCO₂の有効活用
    • -生産活動における削減プロセス合理化
      • -自家発電の燃料転換、買電切替
      • -再エネ利用・クレジット利用
    • -Avoided Emissionの拡大検討
    • -CO₂有効活用に向けたR&D加速
      • -「人工光合成」技術の開発
      • -光触媒による水素製造
      • -CO₂資源化

プラスチックの循環

  • ケミカル・マテリアルリサイクル
  • バイオプラスチック
  • 環境配慮の製品設計

水資源の循環

水マネジメント

  • 高度リサイクル
  • 取水量の低減

排水水質(国内)の更なる改善

LCAツールの進化

2025年度を目途に化学業界でも先進的なレベルへ進化

評価法、推進体制の整備

GHG削減に向けた取り組み

各国・各地域の政府目標水準に照らした排出削減をめざします。

日本国内におけるGHG排出削減の現時点*の取り組み

* 計画策定時(2021年2月)


生産活動におけるGHG削減
  • 自家発電・ボイラー設備の燃料転換
  • プロセス合理化(DX、省エネ等)
  • 再エネ利用・クレジット利用
  • 買電のCO₂排出係数改善
CO₂資源化に向けたR&D加速
  • 「人工光合成」技術の開発*:
    2030年大規模実証/2040年社会実装をめざす

    *NEDO「人工光合成プロジェクト」と技術研究組合に三菱ケミカルが一員として参画

バリューチェーン全体のGHG削減貢献
  • ケミカルリサイクルの実装
  • バイオマスプラスチックの導入拡大

関連情報

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