分野別事業概況:機能商品分野

機能商品分野においては、成長する5つの市場にフォーカスし、グループの幅広い製品・技術を協奏させながら、差異化、高機能化を図り、それぞれの市場に対し多様なソリューションを提供していきます。

主要事業・製品

機能部材

2019年度
売上収益

6,750億円

2019年度
コア営業利益

369億円

情電・
ディスプレイ

光学系フィルム

ポリエステルフィルムや光学用透明粘着シート、光学用PVOHフィルム等、グローバルに拡大する市場と高度化するニーズに迅速に対応し、ディスプレイの進化を支えています。

ディスプレイ・半導体関連製品

ディスプレイ向けの各種材料や半導体向け精密洗浄等、お客さまのニーズに合った新たな価値を生み出す製品やサービスの開発・販売に注力しています。

環境・生活
ソリューション

アクアソリューション

水処理用の薬品、ろ過膜、イオン交換樹脂等を通じ、飲料水から下排水までの水処理をトータルに手がけ、世界の水問題の解決をめざしています。

アグリソリューション

農業ハウス用として耐久性能に優れる高機能フィルム等の農業資材や、一年を通じて安定的に高品質な野菜を栽培できる植物工場を手がけています。

その他製品:イオン交換樹脂/分離・アクアケミカル/インフラ資材

高機能フィルム

高機能フィルム

高分子材料設計、成形加工、表面処理、複合化等の各技術を最適に組み合わせることで、バリア性、耐候性、透湿性、易開封性等、さまざまな機能を付加した製品を、食品・産業・医療等の市場へ展開しています。

高機能成形材料

高機能エンジニアリングプラスチック

エンジニアリングプラスチック素材のグローバルリーダーとして、産業機械、自動車、航空機、医療等幅広い分野で事業を展開しています。

炭素繊維・複合材料

PAN系およびピッチ系炭素繊維と、それを基材とした中間材料や成型加工品に至る一貫した世界屈指のプロダクトチェーンを実現しています。

その他製品:繊維/アルミナ繊維/機能成形複合材料

機能化学

2019年度
売上収益

4,066億円

2019年度
コア営業利益

257億円

高機能ポリマー

機能性樹脂

熱可塑性エラストマー、機能性ポリオレフィン、塩ビコンパウンドを中心とした幅広い品揃えで医療、産業から日用品までお客さまのイノベーションに貢献します。

フェノール・ポリカーボネート

独自の製造プロセス技術とポリマー設計技術、コンパウンド技術を融合し、アジアトップクラスのシェアでグローバルに事業を展開しています。

その他製品:ポリブチレンテレフタレート/サステイナブルリソース

新エネルギー

リチウムイオン電池材料

高度化する顧客ニーズに対し、材料開発から安全性評価にわたる高い技術力とグローバル供給ネットワークをもとに、主に電気自動車に搭載する電池向けに電解液と負極材を展開しています。

蛍光体・シンチレータ・GaN基板

蛍光バックライトやLED用の蛍光体、セキュリティやCT等の医療診断装置用のシンチレータの提供、レーザー等高性能デバイスに用いられる窒化ガリウム(GaN)基板の開発を進めています。

高機能化学

コーティング材料

高度な合成、配合および評価技術に基づき、塗料、インク、粘接着剤、化粧品基材、レジスト材等の分野で、環境対応も強く意識し付加価値を提供しています。

食品機能材

世界トップシェアのシュガーエステルに代表される乳化剤、ビタミンE等の製品群で、食品をはじめ医薬品、化粧品まで幅広い領域で事業を展開しています。

その他製品:エポキシ樹脂/樹脂添加剤/無機化学品

SWOT分析

S強み

光学系フィルム
  • 各種光学用途における強いマーケットポジションとソリューション能力
高機能フィルム
  • バリア性、多孔化、多層化等の機能付加技術
高機能エンジニアリングプラスチック
  • 素材から成形加工までの事業群におけるグローバルネットワーク
炭素繊維
  • 炭素繊維から中間基材・コンポジットをカバーする垂直統合バリューチェーンを活かした事業展開

W弱み

光学系フィルム
  • 想定を上回る短期需要変動に対する対応力
高機能フィルム
  • 国内中心の事業展開
高機能エンジニアリングプラスチック
  • 世界各地域の社会・経済・為替リスクが広範・直接的に影響
炭素繊維
  • 海外収益比率の高さによる為替変動影響

O機会

光学系フィルム
  • 市場ニーズの高度化(高機能、高精度の需要増加)
高機能フィルム
  • 高機能製品の海外事業展開
高機能エンジニアリングプラスチック
  • 産業用途(航空機、半導体等)、医療分野での需要拡大
炭素繊維
  • 産業用途の需要拡大(自動車、風力発電、圧力容器等)

T脅威

光学系フィルム
  • 破壊的な技術革新に伴う既存市場の縮小
高機能フィルム
  • 中期的な国内需要の減少
高機能エンジニアリングプラスチック
  • 3Dプリンター等の新技術普及による既存市場縮小
炭素繊維
  • 新興国品の品質向上による競争激化

APTSIS 20

方針
  • 協奏・インテグレーションにより成長を加速し、高機能商品、ソリューションをグローバルに提供
主要戦略
  • 高機能・高付加価値製品、ソリューション事業の拡大
  • グローバル展開の加速
  • 統合によるイノベーションの強化
  • 新エネルギー事業の早期収益化

情電・ディスプレイの成長戦略

ディスプレイ用途に使用される光学系フィルムや液晶向けカラーレジスト、有機EL向け製品といった光学関連部材に加えて、半導体製造に関連する製品やサービスなどの開発に注力しています。情報処理技術の高度化を追求する顧客の多様なニーズに応える製品・サービスを提供し、事業の拡大とKAITEKIの実現をめざしています。

ビジネススコープ

高機能成形材料の成長戦略

高機能エンジニアリングプラスチックや炭素繊維複合材料など、高付加価値な製品を、自動車、航空宇宙、建築構造物や医療分野といった、さまざまな産業用途向けにグローバルに提供し、事業の成長をめざしています。炭素繊維事業においては欧州高級車向けにCFRP※1を提供する際のプラットフォームを形成するため、イタリアにCF-SMC※2の製造設備を新設し、部品供給体制の確立・強化を進めています。また、バリューチェーンの拡大と重点市場の強化を目的にM&Aおよび提携も積極的に行っており、ドイツのプリプレグメーカーを買収。日米欧でのプリプレグ供給体制を確立し、自動車および航空機の二次構造材向け複合材事業の拡大を加速しています。さらにリサイクル会社の買収などを通し、原料からリサイクルまで一貫したビジネスモデルを持つ唯一の企業として、サーキュラーエコノミーの実現に貢献しています。

  • 1 CFRP:炭素繊維強化プラスチック
  • 2 CF-SMC:炭素繊維シート成形コンパウンド

新エネルギーの成長戦略

効率的なエネルギー活用に寄与するイノベーティブな製品の早期事業化・収益化を推進していきます。当社グループが製造・販売しているリチウムイオン電池(LIB)材料の電解液および負極材は、高い特性と安全性が必要とされる自動車用途にこれまでも広く採用されてきました。今後も国内外における競争力をさらに高め、事業の長期的発展を図るため、世界各拠点での生産能力の増強やグローバルな供給体制の強化を進めていきます。

電解液生産拠点一覧

Focus:半導体関連事業の基盤を強化し、プレゼンスの向上を図る

近年のAI、IoT導入の広がり、自動車産業におけるCASE※の潮流などに伴い、半導体市場は大きく成長を遂げており、今後も一層伸長することが見込まれています。

こうした動きを受け、ポリエステルフィルム市場は、従来からの主用途である光学分野の継続的な成長に加え、今後は積層セラミックコンデンサ(MLCC)をはじめとする電子部品の製造工程向けにもさらなる需要の拡大が予測されています。そこで三菱ケミカルはインドネシアに25,000トン/年規模のポリエステルフィルム製造ラインを新設し、2021年末の完成を予定しています。

積層セラミックコンデンサ(MLCC)
MLCCの需要予測

また、世界各国・地域の顧客に対して半導体関連のソリューションをスピーディに提供するために、2020年4月に情電・ディスプレイ部門に「半導体本部」を設置。半導体製造に関連する製品やサービスなどの事業を集約しました。さらに、グローバルな組織として「MC ChemicalSolution for Semiconductor (MCSS)」を立ち上げ、「MCSS」の統一ブランドのもと一体的な運営を進めています。

今後も、半導体関連事業の基盤強化とともに、業界内でのプレゼンスの向上を図っていきます。

CASE : Connected, Autonomous, Shared, Electric

環境・社会課題の解決フードロス低減や省資源に貢献する高性能バリア製品の提供

三菱ケミカルの共押出多層フィルム「ダイアミロン」やガスバリア性樹脂「ソアノール※」は、そのバリア性の高さから食品の風味や品質を長持ちさせる食品包装材料として使用されています。近年のライフスタイルの変化による個包装化の進展やフードロス問題を背景に食品包装材市場の需要はますます拡大しています。環境に配慮したオール生分解性多層バリア包材など、今後もさまざまな食品包装材を提供し、KAITEKI社会の実現に向け邁進していきます。

ソアノール(EVOH):エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂

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