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SOLUTION / VOL.01

人工光合成-CO2を資源に変える夢の技術

INTRODUCTION

人工光合成
-CO2を資源に変える夢の技術

人工光合成-CO2を資源に変える夢の技術

  • Mar 26, 2021

  • TEXT BY YUYA OYAMADA

  • ILLUSTRAIONS BY SHINJI HAMANA

  • Technology

  • Health

  • Event

人工光合成は、太陽光エネルギーを使って水から生産したクリーンな水素を活用し、工場や発電所などから排出される二酸化炭素をプラスチック等の原料となる基礎化学品に変換する夢の技術です。

人工光合成-CO2を資源に変える夢の技術

FEATURE

FEATURE

  • 01

    二酸化炭素が役に立つ!
    化石資源を使わずに化学品を製造

    人工光合成では太陽光エネルギーと光触媒を使い、水を酸素と水素に分解。その水素を二酸化炭素と反応させ、化学原料を作り出します。水と二酸化炭素から炭水化物をつくる植物の光合成に倣い、一連のプロセスを人工光合成と呼んでいます。

  • 02

    めざすのは炭素を資源として活用する
    「新・炭素社会」!カーボンリサイクルへ

    人工光合成の特徴は、二酸化炭素を資源として活用することにあります。工場や発電所などから大量に排出される二酸化炭素を回収し、リサイクルする「新・炭素社会」を構築し、気候変動の緩和に貢献します。

  • 03

    光触媒技術で世界をリード

    光触媒を活用した人工光合成は日本がリードする技術です。産学連携で2021年度末までに目標とする太陽エネルギー変換効率10%の達成をめざし、技術開発に取り組んでいます。

人工光合成-CO2を資源に変える夢の技術

DETAIL

DETAIL

三菱ケミカルは、2012年10月に設立された人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)の一員として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の人工光合成プロジェクトに参画し、国内の化学メーカーや大学・国研等の研究機関と共同開発を進めています。人工光合成の社会実装をめざし、三菱ケミカルは、人工光合成の3段階のプロセスすべての技術開発に取り組んでいます。

人工光合成の3つのプロセス

  • 1.太陽光と光触媒を使って、水を水素と酸素に分解

  • 2.分離膜を使って、発生した水素と酸素の混合気体から水素を分離

  • 3.触媒技術を使って、水素と二酸化炭素を反応させてオレフィンを製造

人工合成のプロセス

1.太陽光と光触媒を使って、水を水素と酸素に分解

水を水素と酸素に分解するプロセスでは、「光触媒」が重要な役割を担います。水に浸したシート状の触媒に光をあてると、電気なしで水を水素と酸素に分解します。太陽光エネルギーを活用するので、生産段階で二酸化炭素は発生しないことも特長です。人工光合成においては、太陽光エネルギーからどれだけの効率で水素を作り出すことができるかという「エネルギー変換効率」が重要で、同プロジェクトでは実用レベルとされるエネルギー変換効率10%の目標に対して、2019年にはラボスケールで7%を達成、屋外実証試験を開始しています。また、新たに開発した粉体触媒を1枚のシートに塗工したシンプルな構造の光触媒システムは、スクリーン印刷などの方法を使って光触媒シートを大面積で生産することが可能です。太陽光発電パネルのように光触媒を設置する際に、大幅なコストダウンが期待され、すでに7%の変換効率を達成しているタンデム型とともに技術開発をさらに進めています。人工光合成の実装に向けて、同プロジェクトの光触媒は、世界をリードする技術として注目されています。

2.分離膜を使って、発生した水素と酸素の混合気体から水素を分離

水素と酸素の混合ガスは爆発を起こしやすいため、社会実装において、水素と酸素を安全に効率的に分離させることが非常に重要です。同プロジェクトでは、高機能の「分離膜」(混合ガスから水素を分離するもの)の開発だけでなく、安全性の高い分離モジュールの開発も行っています。

3.触媒技術を使って、水素と二酸化炭素を反応させてオレフィンを製造

分離した水素を二酸化炭素と反応させることで、プラスチック等の原料となるオレフィンを製造するために重要なのが、「合成触媒」です。高収率・高生産を実現する触媒とプロセス技術を開発し、すでに小型パイロットスケールでの実証実験に成功しています。この一連のプロセスで生産されるオレフィンはプラスチックの原料となります。

CO₂を資源としてつくられるプラスチック製品

人工光合成では、太陽エネルギーを利用して水から水素を取り出します。その水素と発電所や工場から排出される二酸化炭素を使ってオレフィンを製造することにより、従来は二酸化炭素を排出していた化学品製造プロセスを二酸化炭素の吸収プロセスへと大きく転換します。

二酸化炭素を減らす(カーボンマイナス)だけでなく、資源として活用する(カーボンリサイクル)。人工光合成の技術は、炭素の排出と吸収のバランスを維持する「新・炭素社会」を実現し、化石資源に依存しない原料の多様化と地球温暖化対策に大きく貢献すると期待されています。

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