MENU

SOLUTION / VOL.03

プレシジョンメディシン
―病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を

INTRODUCTION

プレシジョンメディシン
―病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を

プレシジョンメディシン―病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を

  • Jun 7, 2021

  • TEXT BY YUYA OYAMADA

  • ILLUSTRAIONS BY SHINJI HAMANA

  • Technology

  • Health

  • Event

三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループは、“Sustainable Well-being”の実現をめざし、ヘルスケア分野の中核を担う田辺三菱製薬において、プレシジョンメディシンの開発に挑戦しています。

プレシジョンメディシン
―病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を

FEATURE

FEATURE

  • 01

    患者さんの治療満足度を
    高め、
    社会保障にも貢献

    疾患の詳細な解析により、薬の有用性が高い患者層をあらかじめ特定して最適な患者層に投薬することで、より効率的で効果的な医療を実現。患者さんの治療満足度の向上とともに、社会全体の医療費負担の軽減にも貢献すると期待されています。

  • 02

    遺伝子解析やデジタル技術の
    発展が後押し

    最適な医療を提供できるようになってきた背景には、私たちの遺伝子や環境、ライフスタイルなどさまざまなデータを収集、解析する技術の発展があります。デジタルやバイオ領域におけるテクノロジーの進化が、プレシジョンメディシンの進展を可能にしました。

  • 03

    病と向き合うすべての人に
    希望ある選択肢を

    プレシジョンメディシンの実現により、まだ有効な治療法が見つかっていない難病に取り組むだけでなく、治療薬を起点に、予防や未病、予後も含むソリューションの提供をめざします。病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を届けることが、未来に向けたミッションなのです。

プレシジョンメディシン
―病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を

DETAIL

DETAIL

プレシジョンメディシンとは、人々の遺伝子、環境、ライフスタイルの違いを考慮し、予防や治療法の確立をめざす医療です。2015年1月、アメリカのオバマ大統領(当時)が一般教書演説の中で、「プレシジョン・メディシン・イニシアティブ」を発表したことで、世界的に知られるようになりました。近年のプレシジョンメディシンの進展には、より高度な遺伝子解析が可能になったことや、健康医療に関する膨大なデータを収集・分析するデジタル技術の発展が背景にあります。

プレシジョンメディシンは、患者さん一人ひとりに最適化されたテーラーメード型の医療を提供する「個別化医療」とコンセプトは似ていますが、特定の個人を対象にするのではなく、特定の疾患の患者層を対象にしています。データの解析情報に基づき、患者層のグループ分けを行い、そのグループごとの治療や予防法の確立をめざすことで、患者さんのメリットを考えた最適な医療を提供するというものです。

プレシジョンメディシンには、さまざまなメリットが考えられます。従来の医療では、病態や症状が多様な疾患の場合、患者さんは自分に合った治療にめぐりあうまでに、薬の効果が得られず、複数の薬を服用することが必要なこともありました。一方、プレシジョンメディシンでは、薬の有用性が高い患者層をあらかじめ特定するので、最適な患者層に投薬することが可能です。つまりそれは、効果が見込まれ副作用の低い薬剤を選ぶなど、最初から自分にあった治療が受けられるということであり、患者さんの治療満足度の向上につながります。加えて、より効果的で効率的な医療を実現し、社会全体の医療費削減に貢献すると期待されています。

田辺三菱製薬では、プレシジョンメディシンを「適切な医療を、適切なタイミングに、適切な患者さんに届けること」と定義し、疾患、症状のステージ、投薬方法やタイミングなど、さまざまなアプローチでプレシジョンメディシンの開発に取り組んでいます。現在、研究開発を進めている疾患の一つに、赤芽球性プロトポルフィリン症があります。遺伝子疾患の一つで、日光で皮膚が炎症を起こし、臓器にも影響する難病です。この疾患の難しさは、患者さんの皮膚の色やメラニンの濃度など、いくつもの要素が発症に影響を及ぼしている点にあります。そのため、患者さんによって治療薬の効果がバラつくことが懸念されます。そこで、プレシジョンメディシンの取り組みとして、皮膚の色やプロトポルフィリン濃度などバイオマーカーを利用した層別解析から、患者さんごとの適切な用量選択ができるよう臨床試験を進めています。このように、用量もアプローチの一つであり、特定の疾患に対して「この症状が出たらこの薬を1日3回飲む」といった標準化された治療から、患者さんごとに最適化された治療へと変わりつつあります。

そして、今後注力していくのが、中枢神経・免疫炎症領域でのプレシジョンメディシンです。この領域は、まだ多くのアンメット・メディカル・ニーズ(まだ有効な治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ)が残る領域であり、患者さんを起点に疾患のさまざまな症状にどうアプローチしていくかから考えていかなければなりません。田辺三菱製薬が培ってきた創薬技術を活かし、ゲノム・遺伝子の収集・解析から疾患の原因遺伝子をいち早く特定し、患者さんの症状や検体などの情報を表現型(フェノタイプ)として捉えて疾患をコントロールするフェノタイプ創薬に取り組みます。プレシジョンメディシンの実現に向け、MCHCグループの技術や人材を活用するだけでなく、大学や研究機関、ベンチャー企業との協業を積極的に進め、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や全身性強皮症、全身性エリテマトーデスといった難病に対する創薬を行っています。

また、こうした難病に対する研究を進めることは、グループ全体にもシナジー効果が期待されます。プレシジョンメディシンに向けた研究開発を深めていくことで、病気に対する治療薬だけでなく、ヘルスケア全体として、例えば、食品など様々な分野にも応用できると考えています。

今や医療の現場が病院だけなく在宅へと拡大した結果、病気を治療するだけでなく、患者さんとご家族の幸せな暮らしの実現に医療がどう貢献できるか、といった点も重視されるようになりました。患者さん、そのご家族、医療従事者、病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を届け、日々の生活に溶け込んだヘルスケアに貢献していくこと。それが、MCHCグループがめざすヘルスケア事業であり、その重要なソリューションのひとつが、プレシジョンメディシンなのです。

TOP PAGE

RECOMMEND

こちらもおすすめ

SOLUTIONMar 31, 2021

バイオプラスチック―資源循環に貢献

SOLUTIONMar 26, 2021

人工光合成ーCO₂を資源に変える夢の技術

FUTURE TALKFeb 1st, 2021

循環型社会の実現に向けて