株式会社三菱ケミカルホールディングス 越智 仁 社長就任挨拶(要旨)

2015年04月01日 その他

株式会社三菱ケミカルホールディングス


 三菱ケミカルホールディングス社長としての私の使命は、次期中期経営計画「APTSIS 20」を通じて、当社グループを「真にグローバルなTHE KAITEKI COMPANY」にすることである。そのためにも、スピード感を持って全力で職務に邁進する決意だ。
 欧米企業並みの高い収益力を持つ「真にグローバルなTHE KAITEKI COMPANY」実現のためのキーワードは、「成長」、「脱日本中心主義」、「差異化」の3つだと考えている。

1.成長

 当社の最近の自己資本利益率(ROE)は5%程度にとどまっており、欧米の競合に比べて見劣りがする。真のグローバル企業として投資家の求めるリターンに応えるためにも、高収益を生む「成長」をつくり上げていくことが極めて重要だ。
 そのためには、事業部・事業会社の壁を取り除き、既存の枠を跨いだ「協奏」を実践することにより、グループが持つ技術・材料・人材・販売チャネルなどをフル活用することが必要不可欠だといえる。
 特に三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンの3社については、フィルム・コンポジット・コーティング剤・樹脂添加剤・分離材など、共通する技術・事業基盤が数多くあるので、マーケットや販売チャネルの共有、研究開発や生産技術の共有、それら共有を通じた新たな市場領域への進出などによって、スピード感を持って成長戦略を推進できるものと確信している。

2.脱日本中心主義

 成長実現のためには、事業のグローバル展開の加速が必須である。現地ニーズに即した製品の提供や、現地有力企業への拡販を実現するため、地域に密着した技術サービスやマーケティングの充実と、それらを反映した研究開発が求められている。
 また、当社はいまだ日本を中心としたオペレーション偏重の傾向があるが、現地の事情を踏まえた人材育成や内部統制システムなどの構築を通じて、海外でのオペレーション体制を強化していく必要がある。
 事業のローカリゼーション(現地化)を推進し、経営陣のローテーションをフレキシブルに実施することで、ダイバーシティ(多様性)に富んだ経営体制を構築したい。

3.差異化

 情報ネットワーク技術の発達、グローバル化の加速と新興国の台頭などにより、「ブルーオーシャン」(競合の少ない有利な市場領域)が瞬く間に「レッドオーシャン」(競争の激しい低収益な市場領域)と化すのが現代の特徴であり、私たちも幾度となく辛酸を舐めさせられてきた。
 この環境を勝ち抜くためには「差異化」が必要である。差異化は、単なるモノづくりを超えた「コトづくり」の実現によって達成できるが、そのために絶対なくてはならない前提条件は、「差異化された新素材の開発と、その製造プロセスの差異化」にほかならない。
 医薬事業がパイプライン(新薬候補化合物)を重視するように、あらゆる事業において、3年、5年、8年後を目標とした製品の新味化を絶えず行う必要があり、そのためには、生産技術の不断の練磨によって競合を突き放し続けなくてはならない。私自身、技術屋として、ここには徹底的に「こだわりたい」と考えている。
以上

[本件に関するお問い合わせ先]
株式会社三菱ケミカルホールディングス 広報・IR室
TEL 03-6748-7140

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