三菱ケミカルホールディングスKAITEKI Value for Tomorrow

ニュースリリース

2015年5月14日

株式会社Clioの株式取得(連結子会社化)について

株式会社三菱ケミカルホールディングス
株式会社生命科学インスティテュート


 株式会社生命科学インスティテュート(本社:東京都千代田区、社長:木曽誠一、以下「LSII」)は、このたびLSIIの目指す次世代医療事業の中核と位置付ける再生医療分野への参入を図るべく、Muse細胞*1を利用した再生医療開発を進める株式会社Clio(本店:秋田県秋田市、社長:吉田正順、以下「Clio」)の全株式を取得し、連結子会社とすることとしましたので、お知らせいたします。
 
 Clioは2009年に設立されたMuse細胞に関する独占的使用権を保有するベンチャー企業であり、現在Muse細胞を用いた再生医療製品の臨床応用に向けた研究開発を実施しています。
 Muse細胞は、2009年に東北大学の出澤真理教授らのグループにより発見された多能性幹細  胞2です。三胚葉3性の分化能を示す多能性を有する一方、もともと生体内の間葉系組織4内に存在する自然の幹細胞であり、腫瘍化の懸念が低い5など安全性にも優れる有望な幹細胞です。これまで実施された試験の結果、心筋梗塞など組織に傷害を負った動物の静脈内にMuse細胞を投与すると、傷害組織に遊走・集積し、組織を構成する細胞に自発的に分化することによって失われた細胞を補充し、機能回復効果を発揮することが確認されています。今後はヒトMuse細胞製剤を用いた臨床試験を計画しており、従来有効な治療法の無かった疾患領域に新たな治療法を提供できるものと期待されます。また、Muse 細胞の他家細胞製剤6は、必要な時にすぐ投与できる利便性に優れた再生医療製品になるものと見込まれます。
 
 LSIIは2014年4月に株式会社三菱ケミカルホールディングス(本社:東京都千代田区、社長:越智仁、以下「MCHC」)のヘルスケア事業会社として発足し、「創薬・製薬支援」「健康・医療ICT」「次世代医療」を事業セクターとして位置付けております。再生医療はこれまで有効な治療法がなかった疾患への適用が期待され、「次世代医療」セクターの中核の一つと位置づけられます。
 今回、Clioの事業をLSIIの傘下に収めることで再生医療事業を核に、LSIIグループのみならず、MCHCグループ各社の技術を応用して周辺事業への展開も検討してまいります。
 
 今後もLSIIグループは、このたびのClioの子会社化を契機に次世代医療事業を展開し、さまざまなリソースを活用してKAITEKI社会の実現へ向けて事業展開してまいります。

【日程】

2015年5月1日 株式譲渡契約締結
2015年6月1日 クロージング
   
*1 Muse細胞 間葉系組織に存在する生体由来の多能性幹細胞であり、東北大学の出澤真理教授らによって発見された。骨髄、脂肪組織、皮膚、臍帯などに存在し、骨髄における含有率は0.03%である。Muse細胞は、①多能性を持ち、体を構成する多様な細胞に分化できる、②腫瘍化の危険が極めて低い、③損傷部に集積し、組織を構成する細胞に自発的に分化する能力を有することで組織を再生、機能回復させる、など再生医療用幹細胞として好適な特徴を有する。
 
*2 多能性幹細胞 外胚葉、内胚葉、中胚葉の三胚葉性に分化することが可能な幹細胞。
 
*3 胚葉 受精卵から細胞分裂が進む過程で形成される細胞集団のことであり、外胚葉、内胚葉、中胚葉の三つに分類される。外胚葉からは表皮や脳神経系が、内胚葉からは消化器や付属臓器が、中胚葉からは筋肉、骨、心血管や泌尿器などが形成される。
 
*4 間葉系組織 発生の段階で外胚葉と内胚葉の間に生じる組織のことであり、骨髄、脂肪組織や筋、骨格の結合組織などを指す。間葉系組織に含まれる幹細胞を間葉系幹細胞と言い、現在再生医療用細胞製剤として治験が進められている。Muse細胞は、この間葉系幹細胞の数パーセントを構成する。
 
*5 腫瘍化の懸念が低い Muse細胞は元々生体内に存在する細胞であり、骨髄移植の際にも0.03%の割合で含まれておりヒトへの移植実績がある。腫瘍性の指標であるtelomerase活性は体細胞と同じレベルで低い。また、免疫不全マウスの精巣への細胞移植実験で、Muse細胞を移植した場合、6か月を経過しても奇形腫の形成は全く認められなかった。
 
 *6 他家細胞製剤 ドナーから採取した細胞を用いて製造した細胞製剤。事前に製造しておいた製品を必要な時にすぐ投与することができる。
 
【株式会社Clio】
   
商号 株式会社Clio
本店 秋田県秋田市中通5-5-34
代表者 代表取締役社長 吉田 正順
設立 2009年12月
資本金 4.2億円
役員・従業員数 23名
事業内容 Muse細胞製剤による再生医療の研究開発

【株式会社生命科学インスティテュート】
   
商号 株式会社生命科学インスティテュート(Life Science Institute, Inc.)
本社 東京都千代田区内神田1-13-4 THE  KAITEKI ビル
代表者 代表取締役社長 木曽 誠一
資本金 30億円
売上高(連結) 1,293億円(2015年3月期)
従業員数(連結) 3,355名(2015年3月期末)
事業内容 ㈱三菱ケミカルホールディングスの6事業会社の1社。ヘルスケア関連企業4社を傘下の基幹事業会社として生命科学インスティテュートグループを構成。グループ全体の戦略策定、経営資源の最適配分等を行う持株会社。
以上

[本件に関するお問い合わせ先]
株式会社三菱ケミカルホールディングス 広報・IR室
TEL 03-6748-7140
株式会社生命科学インスティテュート  管理部 総務・人事室 広報担当
TEL 03-5577-0440