「BioPBS」を使用した生分解性エマルジョンの開発について

2022/12/16 事業関連

三菱ケミカルグループ(以下「当社グループ」)は、当社グループの植物由来の生分解性樹脂「BioPBS™」を使用した生分解性エマルジョンを、中京油脂株式会社と共同で開発したことをお知らせします。今後は中京油脂の生分解性エマルジョン「RESEM bio」の包装材向けの新グレードとして展開します。また、レンゴー株式会社およびレンゴーグループの日本マタイ株式会社が当エマルジョンを用いた包装材を生分解性包材ブランド「REBIOS®」のラインアップとして販売予定です。

生分解性エマルジョンを使用した包装材のイメージ
 
「BioPBS™」は環境配慮特性とともに優れた低温ヒートシール性と柔軟性を有しており、食品などの包装材に採用が広がっています。またエマルジョンは油やプラスチックなどを水の中に均一に分散させた液体であり、接着剤、コーティング剤として用いられています。中京油脂の技術により「BioPBS™」を水の中に均一に分散させることで、同樹脂の優れた特性を活かした包装材向けの生分解性エマルジョンの開発に至りました。
 
環境配慮の要求が高まる中、食品などでは基材の紙にプラスチックフィルムを貼り合わせた包装材の採用が増加しています。一般的に紙とプラスチックフィルムの貼り合わせにはラミネート工程が必要ですが、エマルジョンの塗工に置き換えることにより、製造のリードタイム短縮やプラスチック層の薄肉化、コストの低減が可能になり、さらに紙のリサイクル性の向上にも貢献します。当エマルジョンの開発により、これらのメリットに加えて生分解性も有する包装材が実現しました。
 
当社グループは今後、当エマルジョンのグローバル展開も視野に入れており、食品やサステナビリティといった注力市場における機能商品の事業拡大を進めていきます。

ご参考
■「BioPBS™」について
「BioPBS™」は、三菱ケミカル株式会社が開発、基本特許を有し、タイPTT Global Chemical社と折半出資するPTT MCC Biochem Company Limitedで製造する植物由来の生分解性樹脂です。自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ない樹脂素材です。また、他の生分解性樹脂に比べ、低温ヒートシール性・柔軟性などで優れた性能を有しています。
 
■「REBIOS®(レビオス)」について
レンゴーグループの「REBIOS®(レビオス)」は、植物由来かつ生分解性のあるセロファンや紙をベースにしたパッケージシリーズです。生分解性樹脂との複合によりヒートシール性や防湿性などの機能を付与しています。食品、日用品、衣類、衛生材料などのパッケージとして、幅広く使用できます。今回の生分解性エマルジョンを使用した包装材は、レンゴーおよび日本マタイが紙へのエマルジョンの塗工および製袋を行います。今後、ハンバーガーやサンドイッチなどの食品の包装材として採用を見込んでいます。
「REBIOS®」の詳細はこちら:https://www.rengo.co.jp/news/2020/20_news_040.html
  日本マタイのお知らせはこちら:https://www.matai.co.jp/cmswp/wp-content/uploads/matai_20221216.pdf


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