CSOメッセージ

社会の要請に応え、最適化された循環型社会と
企業価値の持続的な向上をめざします

代表執行役常務
経営戦略部門長
Chief Sustainability Officer

池川 喜洋

社会課題の解決を事業機会として成長

地球規模でさまざまな環境・社会課題のリスクが顕在化する今、企業には、持続可能な社会の実現に向けた貢献が求められています。こうした認識のもと、当社は、2050年のめざすべき社会や自分たちのありたい姿からバックキャストした、中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30(KV30)」を策定しました。このKV30では、2030年のめざす姿を「持続可能な未来に向けて社会課題の解決をグローバルに主導するソリューションプロバイダー」とし、サステナビリティを核とした持続的成長の道筋を明確にしました。

新型コロナウイルスの影響により人の価値観や行動様式が大きく変わり、企業活動における社会的価値の重要性がさらに高まっていくと私は考えています。これまで以上に社会課題を事業機会に変え、社会の要請に応える付加価値の高いビジネスモデルに変革し、ソリューションを提供し続けることが私たち当社グループの使命であると言えます。KV30を旗印とし、2050年には現在ある課題の多くが解決されている社会の実現に向けて、グループ一体となって取り組みを進めていきます。

サステナビリティ マネジメントの徹底

新型コロナウイルスにより先行き不透明な状況が続きますが、気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向け、当社グループが取り組むべき中長期的なサステナビリティ方針に変更はなく、継続して取り組んでいく予定です。KV30では、環境インパクトニュートラルの達成に向けた基盤構築をめざし、「LCA※ツールの進化」「環境インパクトの削減」「サーキュラーエコノミーの推進」「KAITEKIファクトリーの可能性検討」「サステナビリティ マネジメントの経営基盤構築」の5つの施策を打ち出しました。これらの施策を具体化したものを次期中期経営計画に織り込み、サステナビリティ マネジメントを徹底していくことで、ビジネスモデル変革を支える経営基盤を強化していく考えです。

LCA:ライフサイクルアナリシス

循環型社会の実現に向けた取り組み

経済価値と社会価値を同時に創出し、いかにして最適化された循環型社会を実現していくかを議論するため、当社は、2019年5月にサーキュラーエコノミー推進委員会を立ち上げました。ここでは、サーキュラーエコノミーの方針や対象とする資源、LCA活用の基盤整備など、当社グループが推進する具体的なテーマについて議論を重ね、KV30に反映させています。喫緊の課題である気候変動については、国内の温室効果ガス(GHG)排出量を2013年度比で2030年度までに26%削減する目標を立て、バリューチェーン全体を通じてGHG低減・有効活用に取り組んでいます。廃プラスチック問題については、バイオプラスチック事業の推進、リサイクル適応素材・技術の開発など、製品・技術を通じて解決に取り組んでいます。また、Alliance to End Plastic Wasteをはじめとした国際的なイニシアチブとの協働により、バリューチェーンを通じた技術開発やソリューション開発、廃棄物削減に向けたプロジェクトや啓発活動を進め、最適な資源循環を実現する社会システムの確立に向けて着実に前進しています。

参画しているサーキュラーエコノミー関連のイニシアチブ

加入 イニシアチブ
2018年9月 海洋プラスチック問題対応協議会
(設立発起人として参画)
2019年1月 クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス
(技術部会長会社として参画)
2019年1月 Alliance to End Plastic Waste
(設立メンバー/Executive Committeeメンバーとして参画)
2019年3月 エレン・マッカーサー財団「サーキュラーエコノミー100」
(日本の化学メーカーで初参画)
2019年8月 カーボンリサイクルファンド(会長として参画)
2019年12月 Value Balancing Alliance(日本企業で初参画)

社会価値を可視化する新たな手法を開発

近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを中長期的な企業価値の評価要素とすることが定着しつつある中、当社は、2019年12月に、企業が環境・人・社会に与える影響を金額換算する新たな企業価値算出手法の確立を目的に設立された、Value Balancing Alliance(VBA)に日本企業として初めて参画しました。このVBAでの手法開発を通じて、当社のLCAツールを先進的なレベルへと進化させ、グループ全体の経済・環境・社会へのインパクトを算出し、経営に活用していきたいと考えています。

当社では、2011年度から重要な経営指標の一つとして、サステナビリティ(MOS)指標を導入し、サステナビリティの実践度合いを可視化してきました。次期中期経営計画では、MOS指標自体をマテリアリティに基づきわかりやすく整理するとともに、事業ポートフォリオ改革の一つの基準として運用していく所存です。そして、ステークホルダーの皆さまへの適切な情報開示に努め、経営の透明性の向上を図ってまいります。

新たな成長に向けた礎を構築

当社グループでは、KAITEKIの実践強化に向けて、2018年から事業部長・部長クラスを対象に、ワークショップを実施してきました。ワークショップを起点に各職場にKAITEKIのコンセプトを浸透させ、事業を通じて社会課題の解決に取り組む組織風土を醸成しています。2020年度からは、KV30の浸透を目的に、ワークショップを深化させ、対象を次世代を担う若手層へと広げています。従業員一人一人が仕事の中で社会課題の解決にどう貢献していくかを考え、自発的に変革を起こしていくことこそが、企業のレジリエンスを高めることにつながり、さらにKV30のめざす姿を実現する大きな力になると期待しています。

APTSIS 20の最終年度である今年度はサステナビリティの取り組みを一段と加速し、新たな成長に向けた礎を揺るぎないものとしていきます。今後、新型コロナウイルスの影響により、人の価値観や社会構造が大きく変わることが予想されますが、変化を事業機会と捉え、サステナビリティを核とした事業戦略の推進により、長期的な企業価値向上をめざしてまいります。

MCHCグループのKAITEKI推進体制

MCHCグループのKAITEKI推進体制:「MCHC取締役会」「執行役会議」「KAITEKI推進会議」「サーキュラーエコノミー推進委員会」「各部門(各室)/事業会社」から構成される。「各部門(各室)/事業会社」からの、財務視点と非財務視点の企業価値の向上はそれぞれ、「執行役会議」と「KAITEKI推進会議」へ上げられる。「KAITEKI推進会議」から、必要に応じて、重要事項の審議の付議が「執行役会議」に行われ、「執行役社長」からの諮問に答申する。「執行役会議」の議事事項は「執行役社長」から、「取締役会」に穂国される。

2019年度のKAITEKI推進会議で議論された主な議題

2019年7月
  • サステナビリティ(MOS)活動の進捗報告
  • サーキュラーエコノミー推進の活動報告
    (推進体制、ミッションなど)
  • KV30国内GHG削減目標の検討
  • TCFD対応について
  • KAITEKI健康経営の活動報告
  • イノベーション(MOT)活動の進捗報告
2020年2月
  • サステナビリティ(MOS)活動の進捗報告
  • サーキュラーエコノミー推進の活動報告
    (炭素・水資源・プラスチックの循環に関する検討報告)
  • KV30国内GHG削減目標の検討
  • LCA関連の活動報告(VBAへの参画について)
  • 海洋プラスチック問題への対応状況の報告
  • KAITEKI健康経営の活動報告

2020年10月(「KAITEKIレポート2020」掲載)

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